残酷な時間

女優の南田洋子さんが亡くなりました。享年76歳。
各マスコミ既報の通りですので、あえて詳しくは書きませんが、実に切なく、そして胸が張り裂けそうになりました。 決して好きな女優さんでもなかったですし、長門さんも特に好きというわけでもありませんでした。昔は長門さんもヤンチャして、南田さんもご苦労したのだとか。

それでも、最後は献身的な介護生活。老老介護の現実を公開し、映像を流されることで、様々なことを考えさせられました。

「サヨナラも言わないで逝きました」
「一生分のキスをしてやりました」
そんな長門さんの言葉一つ一つは、実にリアルな心情の吐露だと感じましたし、心の底から妻を愛していたのだろうと思います。

介護生活中、妻を、「自分の帰りを待っている唯一の女性」と表現したところには、認知症を患い、老いていき、自分を認識できないほどになっていく妻を、きちんと一人の「女性」として扱っているところに、ただ漠然と凄さを感じざるを得ませんでした。

ふと、これが自分の将来像とカブって見えてしまいました。 ウチもこうなるのかなぁ?と。
「認知症になんかならないわよ!」
と妻には言われてしまいましたが、保証など出来ません(笑) ましてや自分がそうならないとも限りません。二人というのは心強い反面、どちらかが一方の重荷になる可能性も否定できません。自分は妻を献身的に介護できるんだろうか? 楽しかっただなんて、そんなこと言えるだろうか? と思います。

そんなことを思うと、長門さんの記者会見は見ていられませんでした。胸が詰まるというか、切なすぎて… 若い頃は「死」なんて考えもしませんでしたが、少しずつ年をとるにしたがって、その死が迫っていることを感じます。

「自分は死ぬまでに何が出来るのだろう?」
人生の折り返し地点を過ぎると、考えます。
「あと何年のうちに成功せねばならないのだろう?」
時間というのは残酷です。誰にも平等にあることが残酷なのです。 60歳という世間的定年まであと19年。 あと19年で老人の仲間入りです。第二の人生とか言う年です。

19年で何が出来るでしょうか。やりたいことをいくつ実現出来るでしょうか… 正月が19回来たら老人です。 ああ…

そこまで生きていられるのでしょうかね?
そういう問題もあります。いつまでも健康でいられるでしょうか?
もう、時間を無駄には出来ないな…
ふとこのご夫婦を見ていて、思いました。

心からご冥福をお祈りいたします。

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