【プレゆる中】中学受験生になる前の下ごしらえ①

ふつうは中学受験=学力と考えるものだと思います。学力を付けるために塾に行き、偏差値が上がった下がったで一喜一憂する世界が中学受験だと思っているのが「ふつう」だと思います。

しかし。
今から、「身も蓋もないこと」を言いますね(笑)

スタートの時点から、ある程度の勝負が決まっている、と私たちは思っています。いや、塾業界の先生たちは、そんなこと何十年も前から知っていることです。残念ながら、スタート時点で「勉強が出来て、この先伸びていくであろう子」と、「ずっとこんな調子なんだろうなぁ…」という子はある程度決まっています。

まぁ、それが時々ひっくり返るし、見たこともない成長を遂げたりするから面白いのであって、そういう子が毎年いるから中学受験はやめられないところがあります。

では、何がその差を決定的にしているのか?
1年生から有名塾の講座を受けさせればいいのか?
能力開発教室に通えばいいのか?
プリント塾?? 習い事??

いえいえ。
答えは「ちゃんとした躾」「人間として一人前に仕上げておく」ということに尽きます。

親御さん、ちゃんとご自分のお子さん、叱れてますか?
ちゃんと「教え」を与えて、理想像を見せていますか? 世間に我が子を出すということは、つまり、他人社会で正しく生きてこれるかということ、「親の顔が見たい」なんて言われないように、きっちり「仕上げて」外へ出さねばなりませんよ。

「何だよ、勉強のコツじゃないんかよ?」

と思われるかもしれませんが、これは実は受験生として最も重要な成功要因だったりします。つまり、ある程度大人に成長させないと、受験は成功しないということです。入試問題の国語の文章などを見れば、どのくらいの「精神性」が求められているかがよくわかるはずです。

性格が幼かったりすることは別に問題ありません。ただ物事の捉え方や考え方、そして行動様式が「子ども」では、最終的に受験で求められる「学力」が身につかない可能性があるのです。。

中学受験生になる前に身につけて欲しい「躾」の部分を取り上げます。

①お手伝いや家事をさせる

小学4年生に本格的に家事を任せるわけにはいかないでしょうが、男子でも女子でも、たとえば食べた食器は流しに戻すとか、食洗機までは入れるとか、また自分の部屋のゴミを捨てる、お風呂の掃除をする、トイレの掃除をする、誰もいない時に最低限自分の食事くらいは何とかするなど、人間としての「基本生活」をきちんと出来るようにすることが大事です。

②挨拶が出来ない子は成績が良くない

話しかけても無視したり、こんにちは、さようならと言えなかったりする子は一定数います。それは、申し訳ありませんが親御さんが「ちゃんと挨拶するんですよ?」と教えてあげる必要があります。好きな人や気に入っている人だけにはあいさつしたり話したりするけれど、知らない人は無視、話したことがない人は無視という態度は、ちょっとなぁ…と思います。実際、そういう子は、何かしら学習面でも問題を抱えていて、成績に影響を及ぼしているケースが多いように見えます。

③姿勢が悪い

うるせーなー、と思うかもしれませんが、目が近かったり、ふんぞり返っていたり、突っ伏したり、本当にいろんな子がいます。「お宅のお子さん、こんなんですよ?」って動画で本当に見せたいくらい(笑) でも、それをなぜダメか、本気で注意すれば直っていきます。要は直す気があるかどうかの問題です。

「姿勢なんて学力の良しあしに関係ないだろ?」
と言われたこともありますが、こういうところから気持ちも崩れますからね。ウチはうるさく言います。

④合宿でわかる「お風呂の入り方」

進学個別桜学舎には夏合宿というイベントがあります。新潟で朝から晩まで勉強するイベントですが、当然夏なので汗をいっぱいかきます。お風呂タイムがあります。

単にお風呂に入れ!ではなく、やはり大浴場なので、各時間一人ずつ「お風呂当番」のスタッフを付けます。暴れたり、走り回って怪我をしないように、またいつまでものんびりつかっていて、時間に間に合わなくならないように。

ただ、ここでいろんなことが分かります。
まず、びしょ濡れでお風呂から上がってくる子。「こらー!」と叱られます。ちゃんとある程度タオルで体を拭いてから上がってこい!というのは常識ですよね。

お風呂で騒いで転倒したりする子もいました。女の子でお尻を擦りむいた子がいて、致し方なく私が薬を塗る羽目になったこともありました(笑) 

ドライヤーをかけずに濡れた髪のまま授業に復帰してきて怒られる子(笑) 乾かし方もあまり知らなかったらしく、女性講師が毎回お風呂上りにドライヤーをかけてあげていましたが、のちにそれがとても嬉しかったと聞いたことがありました。

こういうところも「ちゃんと教える」→「その通りに行動する」が出来れば、受験勉強もスムーズに流れていきます。

⑤スリッパの整理が出来ない子を注意する

これは大手塾の合宿でも言われることです。私がその昔勤務していた大きめの塾の研修で合宿に行った時も、同じことを言われました。スリッパを整理させろと。単に片付けをさせるということだけではなく、他人に意識が向いていないというのは、学力面にも影響が出ると言われたのです。確かに、自分だけにしか意識が向いていない子は、他人がどう動いているか、他人の中で自分だけがおかしくないかなど、普通に過ごす中から得られる情報を得ていない可能性があります。イチイチ指摘されたり教えられたりしないと分からない子というのは時々見かけるものです。その一端。スリッパ整理しなさいは私も良く言います。

⑥注意を守れない・じっとしていられない

最近はADHDや多動の症状を持っている方も「そう診断されています」と言って下さることが多いので、そういう場合は正直なところ別です。しかし、本当に「大丈夫か、オマエ?」という子にも時々出会います。

一番困るのは、授業中に「トイレ行っていいですか?」と中抜けする子。罪悪感はゼロです。「休憩時間中に行っておきなさい」と注意はされますが、行かせないとなると今度は「虐待だ」なんて言われる世の中です。勝手に授業を放棄して中抜けしているのですから「知りません」ということにしていますが、もちろん注意はします。でも、その注意を守れない子はいます。

授業中にじっとしていられない子もいます。必ずシャーペンを分解して修理しています(笑)窓の外を見たり、机上にテキストが無かったり、ノートが開かれていなかったり、キョロキョロして後ろを向いたり。まぁいろんな動きをしますね。これは塾の指導ではどうにもならない部分。もちろん注意はしながらですが、この部分は正直、整えてから塾に行くべきでしょうね。それを直せる塾はおそらくありません。

⑦大人の言うことを素直に聞けない子はダメ

「でもさ…」
「だって…」

何か指摘されると、必ずこうやって、一度は抵抗して見せないと気が済まない子もいます。それが塾長に当たれば、100%の確率で論破されて、コテンパンにされます。むしろ余計な約束までさせられて自爆というのが目に見えています。それはそれでいいのですが、そういう子は、今度は講師の先生に突っかかっていって自分の意を通そうとします。講師の先生はそこまで強く言えませんから、正直困るわけです。その時に相談が来る場合もあれば、後から相談されるケースもありますが、「あんにゃろー、そんな生意気なこと言ってましたか!?」と塾長が怒るケースも時々あります。

子どもへのものの言い方というものは幼い頃から考えることだとは思いますが、基本的に「子どもは未熟」ですし、「バランス感覚は非常に悪い」もの。自分で考えたことを「尊重」してあげることは大切ですが、それを全て良しとして、肯定してしまうのは、何の指導にもなっておらず、単なる不遜な野生児を育てているだけに過ぎません。

その昔、先生を召使いのように思っている子がいたので、速攻で叩き出した記憶があります。そんなの、この先の指導でトラブルが起きるに決まってます。ちゃんと、「先生の話を良く聞いて来るのよ」と諭して家を出す準備をして欲しいと思います。

⑧自分のことを自分でさせるのが大事

受験生活が始まると、驚くべき親御さんに出会うことも多々あります。一番ダメなのは、とにかく親御さんが子どもの召使いになっているケース。いや、全部やってあげちゃう、やってあげたくなっちゃうケースです。

受験が子どもの負担になっているはず、だからせめて親ができるところは全部やってあげて、子どもの負担を極力減らしてあげたい… というのは、非常に危険な思想です。ダメダメ。じゃ、親御さんがこの先の受験、全部面倒見てあげるのですか? 就職試験、結婚の相手選び、全部親がサポートするんですか? 「あなたは勉強だけに専念すればいいのよ」って、本気でそんなこと思ってやるんでしょうか?

「親がやってあげない」というのは、とても重要なこと。ただし、相手は小学生ですから、年齢的になかなかできないことがあります。たとえばスケジュール管理や時間管理。小学生は時間の観念がまだ完全に育ちきっていないので、どんなに優秀な子でもスケジュールミスをしたりします。そういう部分は親御さんがサポートしてあげて欲しいのですが、ただやっぱり基本は自分のことは自分でやらせましょう。

親御さんがカバンの中身を揃えてあげる、今日のテキスト、ノート、筆記用具などを全部入れて持たせてあげるなんて、最悪です。親御さんが何か忘れたら、「お母さんが悪いんだ!」「親が入れ忘れた」なんて他人のせいにします。「おめーの受験だろ!」と私には叱られて終わり。

「ここは質問しておいてあげる」「先生に聞いておいてあげるね」などというのも、親御さんが関係している部分ならOK(事務処理面)なら良いですが、何でも親が聞いてあげるとかはダメです。でも意外に多いですよ、そういうの。

「多様性」や「自由」を履き違えてしまった教育は必ず失敗します。シンプルに、ピシッとするところはピシッとやる。それが重要ですし、ある程度のレベルを持って中学受験生にさせることが重要です。大きな進学塾でのお悩みのご相談を受けるケースも多々ありますが、正直なところ、「そりゃ、勉強の方法云々の前の話でしょうね…」ってケースがほとんどです。全然この「意識」の部分を育てずに受験生活に入っているから、結局後々苦しくなってしまうし、子どもに自我が目覚めたらちょっと抵抗を食らって親御さんが凹むというケースは多発しています。

いろんな受験があっていいのです。でもね、きちんとコンセプトとお子さんの気持ちを育てる準備をして、「さぁ受験頑張るぞ!」と臨んで欲しいものです。

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