蕎麦屋で思ふ

先日行った蕎麦屋で感じたことがあります。


恐らく初来店だと思われるお客が来ました。目の前には既に揚げてあった200円のゲソ天があります。ゲソ天の注文が入りました。さて、あなたならどうする?


①こりゃ丁度いいわい!と、冷め切ったゲソ天を出しておく。
②改めてゲソ揚げて出来立てを出す。


私が店主だったら、間違いなく②を選びます。
というか、②の一択。
この時代ですよ、新規客を獲得するのに一体どれほどのコストがかかると思ってるんですか。しっかり新規のお客さんには「馴染み客」になってもらわなきゃ! しかも飲食店なんて、かなりの確率で「カシャ」っと写真を撮られ、食べログとかTwitterに書かれちゃう時代。特に一見さんなんてウチへの愛は無いわけですから、何言われるか分からないわけです。ゆえに、失敗なんて出来ないわけです。

ましてやね、ふと飛び込んできたお客さんに、「こいつ、どうせ二度と来ないんだから、丁度いいから無駄になりそうなのを処分しちまえ」と出す、その心構え自体がもうダメなんですよね。


すると、時々こんなことを言う人もいます。
「そんな、いちいち気にしてらんねー」
「そんなこといつも考えて商売なんてできねー」


そうですか。
そういう人にはあえて言いたくなります。
「だからあなたはダメなんだよ」
「だからあなたは成功しないんだよ!」

「じゃ、あんたは成功してんの?」
って言われたら、「どうもすいません」って謝りますけど(笑)、少なくとも上記で言えば②一択で生きてきました。いや、それはもう「生ける上での、そして商売人としてのプライド」ですよ。ええ。誰かに雇ってもらっていきているわけじゃないんで、「ポリシー」や「生き方」を失ったらアイデンティティも何も消滅します。

ぶっちゃけ、そこまで不味くもなかったんだと思います。
蕎麦自体も悪くなかったんだと思いたい。
でもね、お客さんと常に「勝負」してない店は、ハッキリ言って「ダメな店」でしかないと思っています。ダメな店に金を払うほどお人好しじゃないんです、私は。やっぱり、山形の板蕎麦を食べたくなったら大石田まで新幹線で行くことにします。

私たちだって生徒の成績が下がったら悔しい。絶対いい指導をしてるはずだし。
チョコレートが売れなきゃ悔しい。どうあったって絶対美味しいはずだし。


プロレスは「世間と勝負をしている」と言われますけど、商売人の私たちだって世間と勝負してます。自分たちの「いい指導」「美味しいモノ」が世間で評価されるか、支持されるかの勝負。真剣勝負です。だからぐったりするほど疲れます。でも、そうじゃなきゃ気が済まない。


冷めて固くなったゲソ天を出すような店にはなりたくないってことです。
面倒くさい奴でごめんあそばせ(笑)

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