映像授業の本質

既にいくつかの形でスタートしている桜学舎の映像授業。
高校生のVL講座/ベリタス・アカデミーは、予備校講師による細分化された使いやすい映像講義ですが、中学生理科・社会のVL講座は桜学舎オリジナルの映像講座です。以前書いたように、世には素晴らしい映像授業が山ほどありますし、膨大な授業を録画して他の塾に提供しようとする企業も多く、私が考えているようなことはみんな考えているんだなぁと思います。

既に某大手個別指導塾も、大学生講師の確保に限界を感じ、映像を利用した集団個別授業に業態転換を図るのではないかと言われています。実際、その映像授業を使ったFCも展開するようで、時代は映像授業に一気に進んでいくのだと思われます。そうです、以前から私がブログや通信でも指摘していた通り、これだけ個別指導塾が乱立する中で、その数だけ優秀な講師がいるとはとても考えられないわけで、通常であれば塾で生徒を指導する資質のない人まで動員しているのは間違いないわけです。こんなところでよく講師が確保できるなぁ…という教室すらあります。ですから、大手塾さんが音を上げたというのは、本当に考え方を変えなければダメなんだというところまで来ているのでしょうね。

さて、今後桜学舎は他塾の映像に頼らず、自前で映像を作成していくことにチャレンジするわけですが、そもそも映像授業は勉強が苦手な子に使いたい教材であります。

できる子は正直、講師の先生を上手に使えるんですね。だから質問もうまくできます。しかし、勉強ができない子は同じことを何度も先生に聞くことになります。
「それ、先週教えたよ?」
「また聞くの? 復習した?」
「もうそれ100回以上教えてる!」
実際、100回は大げさですが、本当に教えても教えても覚えない子、記憶にすら残せていない子というのもいるものです。本人には悪気はないんですが、さすがにこうなると先生も人の子ですから、機嫌が悪くなるのも仕方ありません。すると、生徒は、
「先生に怒られるから聞くのをやめよう」
「先生を不機嫌にしてしまわないように黙っておこう」
となることもあります。聞けなくなっちゃうんですね。疑問を解決したり、もう一度聞くということに対するハードルが一気に上がってしまうのです。当然これを繰り返していれば、分からないところが増えます。そのうち、分からないところがあってもスルーするようになっていきます。 

映像授業の先生は叱りません。
だから、生徒が「これ何だっけ?」となっても、映像授業の場合は「もう一度見てからやろう」で終わりです。何度も見れば当然記憶が定着していくというのもありますし、分からないことを解決するということに対する心的負担が一気に下がります。

ただし、そういう子に限って、自分ではそれができません。よく、映像授業を使うとなると、
「ネットで配信しないんですか?」
「塾に通わなくても、自宅で勉強できるじゃないですか」
と言われる方がいます。もちろん、理論上は出来ます。しかし、残念ながらそういう子は「自分では出来ない子」なんです。少なくともやり始めの頃や、まだ独り立ちできるほど勉強法が身について成熟していない子は、ただ映像だけを渡されても、ただスルーしてみているだけか、映像など見なくなるかのどちらかです。NHK教育があれだけ素晴らしい作り込んだ映像授業を配信していても、視聴している人間は少ないし、勉強が出来ない子がNHK教育で回復するなら、塾になんか来ないわけです。

自分では出来ない、だからこそ「塾でやる」必要があるのです。
これから私たちはひたすら授業を作成していきます。頑張らねば! 

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