送り出し

入試前の桜学舎には、「送り出し」という行事があります。

何てことはありませんが、入試前に合う最後の機会に、
「しっかり頑張って来てね」
「当日は落ち着いてやるんだよ」
「全力であきらめちゃだめだよ」
などなど、その子にあわせてアドバイスと激励をして、行ってらっしゃい!と送り出す儀式です。大抵は入試前日の夜ということになりますが、子どもたちは本当に真剣に聞いてくれます。

5年前の都立高校入試は雪。中央線が遅れた影響で、入試開始時間が遅くなった年。あの時、私たちの教えを守って緊張感を切らさず頑張ってくれた子がいて、結果、その年は全員都立高校に合格しました。ちょっと危なかったその子も合格しました。気持ちを切らさなかったのが勝因だったとか。

最近は送り出しの際に、桜学舎特製の「合格切符」を手渡します。鉄道オタクの塾長は、ついにこんなものまで作ってしまったのですが、これがなかなかのご利益です。受験日の「日付」を入れてあげて、本物のパンチで切符を切り、「行ってらっしゃい!」と手渡します。今の子は、パンチで切符を切るという光景を見たことは無いのだと思いますが、それでもその不思議な行為に、意を新たにするようです。

加えて、その年々の何かお守りになるものを。今年は「合格飴」を3つセットにしてお渡ししています。試験会場で一つほうばるだけで、気持ちが落ち着くものですよね。かつては、合格鉛筆や合格祈願の土鈴など、いろいろあります。そうそう、服に貼るタイプのカイロも、「落ちないカイロ」として渡したこともあります。

試験が始まってしまえば、私たちはもちろん、親御さんも学校の先生も、誰も手出しは出来ません。だから、ちゃんと万感の思いを持って送り出してあげることが、私たちに出来る最後の応援なのです。

私は校門応援には行きません。他の受験生の迷惑になりますし、あれはどうかと個人的には思っています。ですから、送り出しは超重要な行事なのです。

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