イジメは心の傷になる。どちらもね。

最近、大津の事件をきっかけに、またいじめ問題がクローズアップされていますね。
でも、ことの軽重はともかく、イジメって、誰しもが経験している問題ですよね。子どもだけの話でもなく、大人の世界にもイジメはあります。馬鹿馬鹿しいとも思うし、ガキじゃないんだから…とも思うのですが、現実問題、あります。そして、闘う力が無い、もしくは平和主義の優しい人が潰れていく傾向も否めません。

でも、特殊なことではなく、どこにでもある現象。

しかしですね、イジメって、マトモな人間であれば(一応私も常識的な範囲でマトモだという図々しい前提の下で話を進めますが(笑))イジメた側にも大きな心の傷が残るはずです。まぁ、何というか、良心の呵責というか。

私も、皆さん同様イジメにあったことがあります。持ち回りでやってくる程度の軽いものでしたが、ある日突然悪口を言われたり、仲間外れにされたり。でも、短期間で終わりましたし、それに加わらない友人が多くいたことで救われました。もう一つは、何となく一目置かれる存在だったから…というのもあるでしょうね。

そして、いじめてしまったこともあります。
今でも覚えている、中学校1年生の時同じクラスだったUくん。
彼は、私だけじゃないですが、悪ガキとされる子10人ほどを中心に何となく苛められていました。もちろん今のように殴る蹴るなんて言うのはありませんでした。からかって笑う、変なあだ名をつけて笑う、何でもトラブルを彼のせいにする… そんなものでしたが、結構しつこかったように思います。私はその中の一人に加わっていた記憶はあります。イジメているなどという自覚は無く、変な話ですが、罪悪感などもなく、普通の遊び感覚で変なあだ名をつけてからかう感じでした。

でも、きっと彼はずっと嫌だったのでしょうね。
しばらくすると、学校に来なくなりました。今でいう不登校。

で、担任の先生に頼まれて、私達は毎朝彼の家へ彼を迎えに行きました。これも今考えるとアホですよね。原因となる連中がわざわざ朝から迎えに行くのですから。でも、当時の私達は「どうして来なくなっちゃったんだろう?」なんて本気で考えていたくらい罪悪感が無かったのです。
「U! 学校行こうぜー!」
なんて、家の前で声を掛けていたりしましたから、向こうも困ったでしょう。
「帰れー!」
って怒鳴られた記憶があります。

それからしばらくして。
彼は転校しました。
突然先生から聞かされて、転校したことを知りました。
ポカンとしていた記憶があります。
でも、その時に初めて、「何か、やっちゃった気がする…」と、みんな罪悪感が芽生えたようにも思います。何となく重い雰囲気がしばらく続き、そのうち彼のことを口にする人はいなくなりました。何となく、触れちゃいけない気がして…

でも、約30年経った今も、私は彼のことを思い出します。
彼の話を、実は機会があると生徒達にも話します。
色々な事件があったのですが、それも含めて生徒には話します。

U君。今頃、何をしているのだろうか。元気なのだろうか。
もう、きっと立派に家庭を築き、立派に社会生活を送っているでしょうね。どこへ転校したのか、その後どうしたのか、もう私には知る由もありません。
でも、いつか、私は彼に会ってみたいと。
そして、心から思うのです。
一言、「あの時は申し訳なかった」と謝りたいと思っています。
いや、これは一生背負うべき十字架なのかな。

大津のような鬼畜の所業とも思えるような仕業をする子(報道が真実であるとの前提で)の気持ちは分かりませんが、それでも罪悪感なく「イジメ」に加担してしまうこの気持ちは少し理解が出来ます。そして、それがその後、どれほどの罪悪感に成長するかも分かります。何ともやりきれない、申し訳なさ。

子どもは、未熟だからこそ子どもであって、間違うのが当然。
その間違いが、如何に愚かであるかを教えるのは大人の役目です。私は自分の体験を子どもに話すことで、「道徳」に近い、善悪の判断基準を考える「元」を与えることがあります。

イジメは、正しい大人なら、イジメられる側はもちろんのこと、イジメた側もダメージがあります。
「そういうこと、するもんじゃないよ?」
と子どもに言える大人であろうと、私も努力したいと思います。

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