数日後、詩織は住宅街にあるその塾を訪れた。
塾銀座となっているJRの駅前とは大違いで、環境も大きく違った。それだけでも詩織には大きな衝撃だった。いままで有名塾が立ち並ぶ駅前で、どの塾を選択すればいいのかと考えてばかりいたが、閑静な住宅街にある塾というのは、そこへ来る子どもたちの気持ちすら違う気がしてきた。
塾銀座となっているJRの駅前とは大違いで、環境も大きく違った。それだけでも詩織には大きな衝撃だった。いままで有名塾が立ち並ぶ駅前で、どの塾を選択すればいいのかと考えてばかりいたが、閑静な住宅街にある塾というのは、そこへ来る子どもたちの気持ちすら違う気がしてきた。
桜学舎。
ちらっと名前だけは聞いたことがあるし、通っている子がいることは知っていたが、地元の小さな塾なので中学受験のために塾を検討した時はリストにも上げなかった塾だ。
ちらっと名前だけは聞いたことがあるし、通っている子がいることは知っていたが、地元の小さな塾なので中学受験のために塾を検討した時はリストにも上げなかった塾だ。
受付で名乗ると、すんなりと塾長室に通された。
「よくいらっしゃいました」
塾長と名乗る男は、「塾」という場所にはおよそ似つかないほどにこやかな表情で詩織を迎えた。偏差値、進学実績、選抜テスト… そんな厳しい受験塾とは全く別世界のような気がして、詩織自身がホッとするのを自覚していた。
※登場する人物・団体名などは全てフィクションです。
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