日本史の用語を半分に??

塾屋が言うのは本当におかしいことなんですが、桜学舎はそういう塾なのであえてここは言いたいところですが、やっぱり日本の教育は「入試」のための勉強をするという前提で行われているのだと思います。つまり、勉強の面白さや知的好奇心を育て、満たすことが目的ではないのでしょう。そういう価値観で勉強を捉えているのですね。

教えている大人たちがそういう世代でもあり、またそう教わって来たのですから無理もありません。ゆえに、「学校教育」の限界をもうそろそろ皆さんが認識をするべきなのだと思いますし、公教育にどこまで求めるのかというのも、もうそろそろ考え直した方がいいわけです。喧々諤々、教育行政について議論をするとかいうのは偉い方々にお任せして、国民レベルでは、我が子はどう育てるのか、本当の知的好奇心を伸長し、「出来ること」「得意なこと」「能力の高いこと」をどう伸ばしていくのか、そして苦手なことも平均的なところまでくらいは勉強させておくこと、そんな「教育ポリシー」を各ご家庭が持っていくべき時代が来たのでしょうね。

坂本龍馬。
吉田松陰。
武田信玄。
上杉謙信。

歴史の教科書から消えるなんてことにもなりかねませんが、これらの人物が単に「歴史マニア」でなければ知らない人物になることが果たして正しいのかどうか。坂本龍馬が果たした歴史的役割が大きくないというのは、これまた随分と大胆な「日本史に対する挑戦だな」としか思えなかったのですが、確かに日本史のメインのストーリーではなく、やはりサブストーリーであることは間違いありませんね。

日本史を勉強すれば京都に行きたくなります。
教科書に出て来る場所や像、寺社を巡れば1日2日じゃ済まないものです。私も以前、意外にマイナーな「六波羅蜜寺」を訪ねた際に、「平清盛像」と「空也像」が同じ宝物殿にあってテンションが上がったものです。教科書に載ってた本物だ!と。

古文が好きだった私は、延暦寺と仁和寺も訪れたかったですし、京都御所に近いホテルに泊まった際は、至近距離に蛤御門があったので急いで見に行きました。残っている刀傷までしげしげと見学しました。

信玄も謙信も知らなければ、「敵に塩を贈る」ということわざの由来を聞いても、「誰それ?」レベルになるということなんでしょうかね。

何だか、「大学受験に関係ない」「あまり出題されない」などという、予備校みたいな分析をもとに学習内容を精査するのもどうなのかと思いますし、そもそも学校で教えきれないから用語を削るというのは随分と「教える側の都合だな」と感じます。

やはり、学校で習うことは、それが一から十まででなくても、「知識との出会い」になるわけで、まず知るきっかけになるわけです。全部完璧に教えようというのは、そりゃ教える側の都合であって、子どもたちが知るきっかけまで奪ってしまうことはだいぶ問題があるように思います。また、本当にそのワードを削っていいのか?というところも心配になります。

日本の歴史を、「歴史趣味」の一つに追いやってしまってはいけないと私は思います。むしろ、もっと色々な話を紹介してほしいと思うのです。メインの歴史の流れなど、小学校以来散々やって来ているわけですし、一番面白くないところでしょう? ものごと、脇道にそれたサブストーリーの方が面白いに決まっているのです、何事も(笑)どんどん勉強がつまらなくなるのは問題だと思うのですが…

ま、私の「思い」でしかないので、どうなのかはわかりませんが、やっぱり桜学舎は、今後この流れからは逆行するのかな?と思っています(笑)

ーーーーーーーーーーー
龍馬や松陰は不必要? 高校の歴史用語「約半分に」案
11/16(木) 14:20配信

 大学入試で歴史の細かい用語が出題され、高校の授業が暗記中心になっているのは問題だとして、高校と大学の教員らで作る「高大連携歴史教育研究会」(会長=油井大三郎・東京大名誉教授)が用語の精選案を発表した。「とにかく用語が多すぎる」として、教科書の本文に載せ、その知識を入試で問う用語を現在の3500語程度から約半分にすべきだとしている。精選案についてのアンケートも実施しており、今年度末までに最終案をまとめる。

 研究会によると、現在の高校の主要歴史教科書は世界史B、日本史Bともに約3400~約3800語が載っており、1950年代と比べて3倍近くになっている。大学入試で、教科書に載っていない、細かい史実を問う問題が出されると、その用語が次の改訂で教科書に掲載され、用語が増える傾向が続いてきたためという。

 一方、高校の授業のコマ数を考えると、きちんと教えられる用語は2千語強という。また、入試で暗記より思考力や表現力を重視する大学が出ており、大学入試センター試験の後継として2020年度から始まる「大学入学共通テスト」でもこうした力を問う方針だ。

 このため、研究会は歴史の流れを理解するために必要な言葉を中心に精選。「共同体」「史料批判」など概念の用語や、現代的課題につながる「気候変動」「グローバル化」といった語句を加える一方、「クレオパトラ」「ガリレオ・ガリレイ」「武田信玄」「上杉謙信」「吉田松陰」「坂本龍馬」などは「実際の歴史上の役割や意味が大きくない」などとして削った。
朝日新聞社 

関連記事

  1. 「辞める」と言われて嬉しかった子(いい意味で)

  2. 言葉狩り

  3. 偉そうにすいません

  4. 万が一に備える

  5. 奨学金を返せない?

  6. 合格請負みたいなキャッチフレーズが嫌いなんです

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

塾長ブログ

2017年11月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930