子どもの負担

よく、勉強が子どもの負担になるという方がいます。そう滅多にお目にはかかりませんが、長い指導歴の中では、

「子どもの負担になるので、宿題を出さないで欲しい」

と言われたこともあります。まぁ、そういう場合は丁寧にご説明をして、それでもご理解頂けない方にはお引き取りを願うことになるのですが、1週間168時間のうち1.5時間程度の学習で劇的に成績が上がるのであれば、誰でも瞬時に遅れを取り戻すことが出来るでしょうし、わずか1時間程度の宿題が負担になるのであれば、残念ながら成績を改善することなど出来ないでしょう。

塾に来る時間など、子どもの時間の中でごくわずかです。週2回通って来たとしても、合計で3時間弱。
3÷168=0.01785… わずか1.8%の時間です。これが負担と言われたら、もう如何なる勉強も出来ないでしょう。

現代の子どもの生活、特に中学生の生活の最大の負担は、私は部活動だと思っています(意見には個人差があります(笑)…生さだみたいですね!) 特に運動部や吹奏楽部は週に4回~5回の練習に加え、日曜日などの休日の練習があります。対外試合もあります。もちろん、中学時代に熱中するもの、一生懸命やるものの代表格でしょうし、いい思い出も、またチームワークを学ぶ場としても有効であることは承知しています。

しかし、こんな量の部活動を半強制で行っているのも… 最近は、というか都内は運動部至上主義ではないようですが、私の出身の千葉は、「運動部員に非ずは人に非ず」的な空気が流れていまして、私も消去法で卓球部に所属したものです。

別に好きでやる分にはどうぞ、なのですが、どうも部活動が「正課」ではないのに「正課」扱いされているのが解せません。まぁ、おかしいと言っても仕方ないし、既得権的なものもあるでしょうから、これも好きにすればいいのですが、少なくとも桜学舎の近辺の中学校で「学校ごと」の部活動にこだわる必要性は無く、もう時代について行けていないと感じています。

というのは、近隣のA中学が1学年70名程度の生徒数、B中はひとまず3ケタは生徒がいますが、C中に至っては30名程度。本当に生徒が少ないのです。部活動は種目ごとに再編して、クラブチーム化して行った方が良いように思っています。生徒は好きなチームに所属すればいいわけですから、部活を他の中学や体育館へやりに行く形になります。そっちのほうが、生徒にも選択権が生まれるし、強い子は強い子と切磋琢磨できます。指導者も効率的に配置出来ますし、門外漢が顧問をやるという理不尽も生まれないでしょう。

これがもっと拡大すれば、いつぞやか議論された「教育バウチャー制度」が実現に向かうのだと思います。私は実はそれが一番いいと思っています。

学校にしか出来ない「集団生活」や実技科目、体育祭・文化祭などは今迄通り学校で実施。学校は給食までで終了。午後は思い思いに教科の学習をやりに、塾、予備校、家庭教師、もしくは学校へ行けばいいと思っています。年2回程度、期末試験に代わる到達度テストを実施し、ある程度の基準がクリアされれば卒業認定をし、次のステップに進むことが出来れば、もう少し教科の勉強にも多様性が生まれるように思います。

閑話休題。
今年から、A中学校は1学期の中間試験を廃止しました。1学期は期末試験のみ。生徒達曰く、「学校行事が多すぎるんだって」と。同じくD中は以前から1学期中間試験を実施していません。生徒の負担を減らすという配慮なんだと思いますが、実は生徒からすれば試験範囲が異常なまでに広がり、勉強量がハンパなくなるので、迷惑なんですよね… 1学期末の成績が急落する子がいるのはこれが原因です。学校行事のために試験を廃止するというのは、どうも本末転倒なような気がしていますが、どうなんでしょうかね。

勉強しなくて困る…という塾への相談。たいていは、「ゲームばかりしている」というものです。ゲームを否定することはありませんが、それで「時間がない」「忙しい」はないでしょう。忙しくて宿題をやる暇がなかったと言う言い訳をする生徒の1週間を検証すると、結局「ゲーム」「マンガ」「友達と遊ぶ」そして「部活」をやる時間はたっぷりあったわけです。昔なら、「勉強できないなら、部活なんてやめろ」と言われたものです。今は部活や行事が優先で、勉強をやめちゃうんですね(笑) これも本末転倒だなぁと思います。

野球好き、サッカー好き、音楽好き、いろんな生徒がいました。部活を一生懸命やっている子もいますし、クラブチームでマジでやっている子もいます。それはそれで結構。むしろそっちも頑張れよ!というのが桜学舎の基本スタンスです。しかし、野球が忙しいから勉強できない、練習があったから宿題が出来なかった、というのは厳禁です。私は、そんな生徒に必ずこう言います。

「一番好きなものを悪者にして言い訳するなんて、最低だな!」

勉強が出来ない理由を、大好きな野球のせいにする。
これ、人間に置き換えてみましょうか?
「大好きな彼女がいたから、勉強出来なかった」
「彼女とデートしてたから宿題が出来なかった」

最低だと思いませんか? 自分が勉強できない理由は、彼女ですか? 私の娘がこんな男と付き合っていたら、「今すぐ別れろ」と言います。

同じです。大好きな野球、大好きなサッカー、大好きな音楽、そのせいで勉強が出来ないと言えば、先生や親は「野球なんかやめろ」「部活辞めろ」の大合唱に普通はなります。これは勉強できない理由を彼女のせいにする人と同じじゃないでしょうか?

野球を一生懸命やって、今年戸山高校へ入った子もいます。苦労はしていましたが、泣き言言わずに頑張っていました。桜学舎の生徒のほぼ100%が部活をやっていますし、その他の習い事をしている子もいます。

桜学舎は宿題を出します。
勉強しない子、適量の訓練が出来ていない子には、ある程度「負荷」をかけなければ成長しません。それをこなせるように訓練しなければ成長は見込めません。少なくとも今迄、宿題をきちんと出来るようになった子しか、成績が上がりませんでした。

宿題を出さないで欲しいというご要望にはお応えできません。もちろん結果が出なくて構わないのであればいいのですが、そうもいかないでしょう。宿題がない塾も世の中にはたくさんあります。宿題をやらなくても成績を上げる方法をお持ちなのだと思いますので、どうぞ遠慮なくそのような塾へご相談された方がよいのではないでしょうか。

上から目線というわけではありません。偉 そうにしているわけでもありません。ただ、桜学舎の方針を変えるわけにはいかないので、お応えできない要望もあるのだと言いたかったわけです。どうぞご承知おきください。

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