「死ぬまで働け」の意味

ワタミグループ会長渡辺美樹氏の発言が以前大炎上しました。

「365日24時間死ぬまで働け」
「出来ないと言わない」

などと社員に呼びかけていることがワタミの社内冊子からわかったからだそうです。
『理念集』と名付けられた冊子は、ワタミグループ全社員に配布され、渡辺氏が著書で「ワタミの仕事すべてに直結し、根底で支えている思想の原点」なのだとか。

これで、過労死の問題がクローズアップされているワタミがいかにブラック企業であるかという批判が世にごまんと出ました。確かに大変な職場なんでしょう。そして、相当な労働時間の強要があったのかもしれませんが、残念ながら私達にはそれは「報道」と「想像」の域でしかありません。

予めお断りしておきますが、私は彼が「好き」ではありません。
人に対する考え方が恐らく違うのだと思いますし、某学校経営に乗り出した際の騒動も関心を持って見ていましたので、残念ながら彼の教育方針や教育に対する考え方には共感できないものがあります。どちらかというと「アンチ」に近い感覚かもしれませんし、ある種の「恐怖」を感じたりします。

しかしながら、そこまでもってしても、、『「仕事は、成し遂げるもの」と思うならば、「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします。なぜなら、「成し遂げる」ことが「仕事の終わり」であり「所定時間働く」ことが「仕事の終わり」ではないから』などと言う部分は、「正論」ではないかと思うところがあります。まぁ、もちろん長時間のサービス残業を認めるものではありませんが、別の思いがあるのではないかと感じるのです。

それは、最近、一部の「働く人」に感じる違和感。
それは、「時間とお金を交換しているのが仕事」「所定時間を仕事に費やすことで給料をもらっている」という違和感です。別に所定時間以上の残業なんてして頂かなくていいのですが、「給料分の仕事をしっかりしてくれ」と思うことって、自社のみならず他社・他店でもお客として感じることが結構あります。

以前もどこかで書いたかもしれませんが、近隣に某ファミレスがあり、そこのランチで働いているAさんという方がいます。この方の働きは見事。素晴らしい接客と仕事のこなしぶりで、もう私は大好き。Aさんを桜学舎にスカウトしたいくらいなのですが、それに比べて「もうちょっと全力で働けよ…」と思ってしまう方もいます。同じような給与をもらっているのだろうな…と考えると、ランチしながら少々悲しくなることも。

もちろん、スキルが低いというのは、ほんの一部なのかもしれませんが、それでも何となくの感覚から、こういう「ちゃんと仕事が出来ない人」「仕事効率の極端に悪い人」が増えているように感じるのです。経営者からすれば、スキルを磨く努力も、また結果も見えないのに、呑気に「時間が来たから帰ります。出来てない仕事はまた明日…」なんて言われたらブチ切れるに決まっているのです。労働者から言えば大切な時間と給料なのでしょうが、経営者から見ても、いや経営者だからこそ、大切な時間であり、身を切るようなお金を給料として払っているわけですね。

「費用対効果」
給料に見合った働きをしてもらえなければ給料は払い損。
こういう仕事に対する甘い人を見て、渡邉氏は言いたくなっちゃったのではないかと思うのです。

なお、これは29年前に渡邉氏が書いた文章だそうです。そんな前のことですから、引っ張り出して来て喜んで記事にしている週刊Bもどうかと思いますが、前後の脈絡なく、単語ばかりを引っ張り出して騒ぎを起こすというのもどうなのかなぁ…

渡邉氏の言葉は誤解も生むし、極端だということなのでしょうね。
しかし、その真意をよくくみとると、意外に納得する部分もあったりします。でなければ、あれだけ大きい組織を作ることも出来なかったでしょうしね。

ブラック企業というのも世には沢山あるのだとか。しかし、今は何か面白くないことや大変な事があると「ブラック企業」と呼んでしまえばいい…みたいな風潮もあったりします。しかし、「それくらい働けよ…」「給料分くらい働けよ…」というような「ブラック社員」も結構いるんでそうです。まぁ、いるでしょうね。昔からいますよ、「給料泥棒」と呼ばれる人はどこにでも。「釣りバカ日誌」の「浜ちゃん」なんかもその有名どころですね。

仕事は、本来「おもしろいもの」「楽しいもの」「成長できるもの」のはずです。それを証拠に、お父さんお母さんたちはことあるごとに、「やりたいことは無いの?」「将来の夢は?」なんて聞きまくっているじゃないですか? その「仕事」がいつから義務になり、いつから苦行になり、いつから「時間との等価交換」になってしまったのでしょうか。まぁ、サラリーマンでは共感できないのかもしれませんね。我々自営の人間には、どうもピンと来ない話です。

ほんの少し、言葉尻だけが独り歩きしている渡邉氏の本音に同情したり、まぁ自業自得でしょう?と思ってみたりですね。

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