記憶のメカニズム3

 情報を長期的に記憶するためには、「海馬」に「これは重要な情報だから長期的に記憶するべきだ」と判断させる必要があります。

 キーポイントは2つあります。まず1つ目は「理解して覚える」ということ。「なるほどね」「だからこうなるのか!」というように理解をして覚えたことというのは実際忘れにくいものです。無機質な年号などをゴロ合わせて覚えるのも、数字に「意味を持たせる」というところに記憶のポイントがあります。意味も分からず宇宙語のように丸暗記したものはすぐに忘れてしまいます。ですから桜学舎の小テストは、手で書いて、さらに発音させたり、ランダム出題したりと、記憶に結びつくことをやらせているのです。

 ポイントの2つ目は、海馬がどのようにして情報を判断しているに関わりがあります。それは、「繰り返し情報が入ってくるか」ということです。一度しか情報が入って来なければ「重要でない」と判断し忘れます。しかし、繰り返し情報が入ってくると、重要な情報だと判断し、大脳新皮質の側頭葉に記憶をします。つまり、情報が繰り返し入ってくる状態を意図的に作れば長期記憶に移行するということなのです。

 「1回ではなかなか覚えられない」と嘆く生徒がいますが、それは科学的に不可能なことにチャレンジしているのだと理解することが必要です。「集中してもなかなか覚えられない」「忘れてしまう」ということの原因もまた、短期記憶を繰り返しているがゆえの「記憶力の悪さ」なのです。

 私はよく「何回お目にかかれるかが勝負」と言いますが、その英単語、その問題に何度「お目にかかれるか」によって、記憶の定着が異なるのです。嫌いな科目が伸びないのも、なるべく避けるわけですから接触機会が減る、つまり繰り返し情報が入ってこないので定着しないのです。

 つまり、短期記憶を長期記憶化する方法こそが「復習」なのです。ですから、復習をしない生徒は、永久に勉強が出来るようにはならない、これ以外の勉強が出来ない原因はありません。
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