言われたとおりにやるという力

 中学受験の算数で、「通過算」という勉強をしています。列車が鉄橋を渡り始めてから渡り終えるまで何分かかりますかとか、列車の長さはどれくらいですかとか、そういう類の問題です。

 ポイントは、鉄橋の長さだけでなく、列車の長さを足さないと渡り終えないというところ。ここを見落とすと全然答えが出てきません。

 速さ関係の問題なので、「はじき」を使います。例の、あの公式。あてはめればズバリと答えが出ます。ここでは通過算特別の「電車はじき」を使います。先週5パターン教えたのですが、なーんにも役立っていないことが今日判明しました。

 いくら「はじき」を教えてもやりません。
 説明は聞いています。なるほどと理解もしています。しかし、実際問題をやってみると、見事に全員このはじきを使いません。何列も計算式を作っては、計算をやり直してみたり、計算が小数になるのかを聞いてみたり… そんなこと聞くまでもないのですが、「はじき」を使わないからこういうことになるのですよ。

 今日も、宿題が見事に出来ていません。できるはずのところが。
 で、「はじき」を使うように言うと、ある子はしぶしぶ使い始めました。

 が、よく見ると、ちゃんと使っていません。電車の絵と鉄橋の絵を描いて説明しているにもかかわらず、それを無視して数字だけ書いています。そのせいで、数値が間違っています。

 さすがに頭にきて、先週の「はじき」をもう一度5パターン、ホワイトボードに書きました。そして、「これ以外使うな!」と。一切使ってはいかん!と禁止しました。そしてまたノートを見てみると、今度はxを使っています。

 まて! この中の一体どこにxがあるんだ?
 どこに書いてある?
 だれがxを使っていいと言った?
 なぜ、言われたとおりに出来ない?

 そして間違う…
 答えも案の定×…

 なぜ…

 今の子は先生のいうことを聞けないのでしょうか。
 xを使うのは、誰かがそう教えているのかも知れません。中学入試の算数は、ちゃんと心得のある人が教えねばなりません。というのは、中学のやり方はやってはいけないからです。方程式も、マイナスの概念も使ってはいけません。でも、教えちゃって、かえって混乱するパターンを何回も見ています。

 独自のやり方なんてやらなくていいんです。
 言われたとおりにやってみる。これが成績を伸ばす子の典型。
 まず言われた通りにやりましょう。

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