京都大学の問題

 新聞・TV等でご存じのとおり、京都大学を始め同志社・立教・早稲田の各大学の受験生とみられる人物が、恐らく携帯電話を利用して「Yohoo知恵袋」へ入試問題の解答を求める書き込みをした事件がありました。

 いずれはこんなことも起きるのかもしれないとは思っていましたが、大学入試、しかも京都大学などという最上位の大学で起こるとは思いもよりませんでした。

 確かに、気持ちは分かります(笑)
 切羽詰まって聞きたくなることもあるでしょうね。でも、それをやっちゃったら…

 何より間違っているのは、分かりもせず、手も足も出ないというような人間がこの試験を受験しているところ。受けるのは自由ですが、まぁ、身の程知らず(笑)ちゃんと準備して受験しなさいと言いたくなります。

 なおかつ、この「受かりさえすればいい」「うまくすり抜けられればいい」「楽して高い学歴が欲しい」という発想をすること自体が、まぁ申し訳ないですが、あまり社会では必要とされない人材ではないかと感じてしまいます。つまり、根無し草でもいい、実力なんてなくていい、学歴だけあればいい。そういうお考えなのでしょう。

 もしくは、「いい学歴さえあれば勝ち組なんだ」「学歴さえ高ければ後で困らないのだ」と思っているのでしょうね。これが大きな間違い。間違ったエリート意識や高学歴志向は、こういうトンチンカンなことになります。

 企業や社会では、「東大」「京大」という学歴が欲しいわけではありません。例えば東大なら、東大を出ているということで、学習歴がしっかりとしていて、なおかつアタマも切れ者なんでしょうし、しっかりと専門知識を持っているだろうから、これから先もしっかりと勉強をし、努力をして、結果につなげることが出来るであろうという、そういう能力が高いことを端的に表す記号として「学歴」を求めているのであって、学歴だけが高く、実はカンニングで入学して中身はカラッポ… そういう人は役に立たないのですね。

 そういう意味で、残念ながらこの方は京都大学へ行けるような実力者ではなかったのではないかと思います。幼いというか、成長にもちょっと問題を感じます。

もう一つ。
分からない問題に直面した時に、この受験生はネットに解答を求めました。他力本願というところも問題ですが、ふと思い返してみると、小学校の頃から分からないこと、疑問に思ったことは「ネットで調べよう」という、「調べ学習」を徹底的に習ってきた世代。「ググれカス」の話題をつい先日書いたばかりですが、ググることが解答を見つける正しい方法だと思う子は多いのでしょうね。今の生徒たちも、分からないことを考える前にすぐ調べ始める子が結構います。よく見るとトンチンカンなことを調べていることが多いのですが、とにかく調べて答える。そういうふうに習ってきていることを見逃してはいけません。

 どうやら刑事事件に発展する様子。受験生の怒りも相当買ったようですね。当たり前です。

 勉強が出来るだけじゃダメってことがよく分かります。そして、勉強が出来ることと、頭がいいということも別物だということがよく分かります。ご家庭で、お子さんとこの問題について是非話し合ってみてほしいと思います。

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