改めて、特訓お疲れさまでした。塾長は翌日にワクチン接種をして具合が悪くなり、加えて翌日は発熱、しばらく回復に時間がかかりましたので、今頃特訓の振り返りをしていますが、いろいろなことが浮き彫りになった特訓だったなぁと思います。
特訓テキストを1冊渡し、それを「やれるところから」「できそうな問題から」「簡単なところから」やりなさい、○の数を稼ぎなさい、そういう課題でした。
しかしながら、結論としては、出来ない子ほど1ページの1番からやり始め、午前中4時間をかけても6問しか正解できないなどという子が出ました。
「人の話をどこ聞いてるんだ!?」
と叱られ、スタートして4時間も経ってから「やり方が分からなかった」などと口走るものだから、さらにそこで叱られて(笑)、もう本当に皆が順調に稼働し始めるまではカオスでした。今までの「合宿」であれば、5年生の時に参加したことがある子が何人かいて、その子達がスイスイ進めるので、その子達が牽引役になって順調に学習が進んでいたところがあります。しかし2年連続で合宿が中止になり、実に可愛そうな学年ではありますが、それにしてもこの進まなさすぎは一体何なんだろう?と本当に悩みました。そして3日間彼らと付き合って分かったこと。それは、できない子は圧倒的に
「選球眼」
が無さすぎるんですね。点を取ることに貪欲でないと言ったらそれまでですが、全体を見渡すこともなく、どこに簡単な問題があるんだろうと探ることなく、とにかく目についた問題から順番に解き始めてしまう訳です。それで解けるならともかく、解けないもんだからずっと足踏みをする。これは困りました。
そりゃ、首都圏模試も点数取れないわけだ!(笑)
意地悪なことに、特訓のテキストも最初に結構めんどうな問題が入っていて、途中に「速さの基本」や「割合の基本」など、全問正解して当たり前の問題が入っているので、そこを探せばあっという間に50問くらいは稼げるはずなんですが、全然数字が伸びない子が何人もいました。
野球の選手が何人もいる桜学舎の受験生たち。
この「選球眼」はとても重要だという話をしました。つまり、バッターボックスに立って、来る球を全部スイングしていたら、すぐに三振になっちゃうだろう?と。速球もスローボールも、シンカーもフォークもカーブもストレートも、内角も外角も、高めも低めも、場合によってはビンボールも、全部振ってしまったら三振しちゃいますよね。打つ球、打ちやすい球を見極めてスイングするわけで、そんな選球眼がない選手がヒットを打てるわけがないと話したら、そうか…と思ってくれたようです。
ホントに、そんな事考えずに、与えられた問題をやってきたのかなと思うと、ちょっと鍛え方が足りなかったなぁと思います。甘やかしすぎ、お坊ちゃま・お嬢様扱いしすぎた気がしますね。
ご家庭でも同じです。
主体性を尊重せず、またきちんとした躾が出来ていないと、受け身になってしまって自分から「点数を取りに行く」ような子が育ちません。合宿のときも顕著にそういう姿が見えますが、今回の特訓でも見ていると、お家で相当甘やかされて育っているな…と思う子が見られました。
また、自由にお菓子を食べている子。お菓子ばかり口にしているから、肝心なご飯時にお腹がすいておらず、お弁当を残した子もいます。
さらには、ご挨拶が出来ない子。小学生は旅館での実施でしたが、スタッフの方が話をしても返事が出来なかったり、ご挨拶が出来ない子もいました。お部屋を整理整頓できない子や、すぐに立ち歩く子、休み時間を「脳の休息をする時間」として使えない子など、本当に何度言っても言うことを聞けない子もいて、今回は本当に珍しく、叱ってばかりの3日間だったと思います。
勉強だけでなく、全ての身の回りのことや、これからの選択、他人との(いい意味での)競争の中で、やはりこの「選球眼」を養うことは非常に重要で、与えられた課題や直面する問題が自分にとって適切なものか、易しいものか、はたまた困難なものなのかを判断して、出来ることから片付けていくということが出来ないと、無駄に自信も失いますし、気分よく物事をすすめることが出来ませんから、成果が得られません。セルフコントロールが出来ない人は、やっぱり「成功」からはかなり遠いような気がします。
選球眼。
2学期のテーマはこれですね。
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