薬をちゃんと飲め

「医者の言うことは聞くもんだ」
「薬をちゃんと飲め」
というのは母の教えでした。実は私の母は病気のデパート。と言っても元々は健康な人だったのですが、運悪く病気を輸血でもらってから長きに渡って療養生活を余儀なくされました。それに加えて生来のお転婆なので、アッチャコッチャと生傷絶えず、何度も死にかけています(笑)

ただ、86歳で健在の母は、とにかく医者の言うことを忠実に聞くのと、コミュニケーションはちゃんと取る、そしておかしいことはちゃんと伝える、そういう人間でした。ですから、私にも「薬をちゃんと飲め」とは良く言っていました。勝手に判断して止めたり、飛ばしたりしてはいけないと。

実はかつて母が入院中、こんな場面に遭遇したことがあるのです。

母の同室に、膠原病の患者さんがいました。詳しくはわからないのですが、命にかかわるような薬を服用していたのだとか。でも、何とも元気で、口達者な母とは仲良くおしゃべりをしていたのだそうです。

ある時、その患者さんは食後の薬をひとつ床に落としてしまったとか。でも、まぁ1回くらいいいかと思って看護師を呼ばずにそのままにしたのだとか。その時はさほど気にもとめず、まぁ今まで欠かさず服用してきているし、大した事ではないと思っていたのだそうです。

ところが、その晩、その方は容態が急変し、集中治療室に運ばれていってしまったのです。
変わったところが無かったですか?と聞かれたので、そういえば薬を…という話をしたら、お医者さんが頭を抱えたという話。欠かさず服用して行かないといけないお薬だったようです。

ものには理由があって、ちゃんとそうする意味もあるものです。
ろくな知識もないくせに、勝手な思い込みや偏見で自己流を貫くと、全然ダメなことが多いもの。

「医者なんて信用できない」という人もいますが、ならばどうするの?
批判からは何も生まれないし、前進もありません。

先日、腰痛を嘆く妻を医者に行かせましたが、ある原因が特定出来ました。なるほど、そりゃ腰が痛くなるわ(笑) ところが妻は、原因がわかったので大丈夫、痛みには強いから薬は要らないといって帰ってきてしまったので、流石に私は叱りました(笑)後日再度医者に行き、薬の服用を始めたのですが、ちゃんと理由があって出ている薬なんだからしっかり飲み切ることが重要。そんなことを言いましたが、これってやはり母の教えなんですね。

塾で言えば、薬は「宿題」です。
診察が塾の授業やカウンセリング。
正しく薬を飲んでくれなきゃ、診察だけしていても症状は良くなりません。
ココでも生きる母の教え。

「薬はちゃんと飲め!」

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