それが自分自身の力であったという「自信」。

塾でも学校でも、パンフレットを見ると、

「○○大学△名合格!」
「○○入試・大躍進!」

なんて、耳障りのいい言葉が並んでいます。
そして次のページを開くと、

「その秘密は××システム!」
「□□塾に来ればもう大丈夫!」

そういう流れになっているわけですね。
何だかスゴそうだ…
ココに行けば、素晴らしい未来が待っているかもしれないぞ! そう思って入学する人も多いでしょう。確かにね。

しかし、そういうところに行っても、結果は上は上へ、中は中へ、下は下へ移行するだけで、何も変わらない、いや順当な結果…ということがほとんどです。経験者は語る…(笑) そういうことです。

よく、
「変えられないのは他人と過去。変えられるのは自分と未来だ」
という言葉を耳にしますが、確かにその通り。
自分が変わらねば成長はないというのは連日書いてきた通りです。

ということは、どんなに素晴らしいシステムや、どんなに見事な教育環境に身を置いても、自らの変化が無ければ何も起こらないのです。

感情の変化を起こすために、「感動」と「熱意」が必要だと書いてきましたが、ここに仕上げが必要になってきます。

それが「出来るようになったのは、自分自身の力であったという『自信』」です。
つまり、
「先生のおかげで合格できました、ありがとうございました!」
「やっぱり△△塾に行っていて良かった!」
「○○ゼミナールのテキストのおかげだ!」

こんなことを心から真剣に思っている子がいるとすれば、そして親御さんがいるとすれば、今すぐ改心してください。お寺にでも行って心を改めてきてください(笑)

違います。

違うんです。

合格できたのは、本人の力なんです。
合格できたのは、本人が頑張ったからなんですよ。
そして、本人の努力の成果なのです。

もし、「我が塾の成果です!」なんて本気で謳っている塾があるとすれば、ちょっと心配(笑)

私は常に、生徒には、
「オレたちは代わりに受験してあげることも、問題を解いてあげることも出来ないんだよ」と諭しています。

よく、塾で実施する小テストの締め切りが近づくと、生徒達は泣き落としでオマケ合格を懇願してきます。下手をすると、「何で満点合格じゃなきゃいけないんだ!」などと逆ギレする子も(笑)

そんな時、目的を履き違えるなとお説教します。塾のテストに合格することが目的ではない。頭に知識を入れることが目的なのだから、2つは間違えていい、知らなくていいなんてことにはならない。その2つを放置して、入試の当日にそこが問われたらどうする? 落ちるのはオマエだよ? 落ちて悲しい思いをしたり、やっておけば良かったと深い後悔をしたり、辛い生活を送るのはみんなオマエだよ。自業自得になっちまう… それを知っているから、おれ達は甘く見ないんだ。頑張れ!もう少し付き合ってやるから。

そういう趣旨のことを言います。

この繰り返しの後に、当然子どもは小テストに「合格」します。最初は覚えられないとか出来ないとか、すぐ忘れるとか… グダグダと文句を言いつつも、結果的には合格するんです。

「ほら、やればできるじゃんか」

この時に、笑顔の無い生徒って、まずいません。
なぜ笑顔になるのか。
自分で自分を認めてあげられるからでしょう。純粋にうれしいじゃないですか。これは先生のおかげじゃないんですね。塾のおかげでもない。

自分で出来たから、うれしいのです。笑顔が出るのです。

理想を言えば、そこから子どもはどんどん自分でやるようになる…
ま、実際はこれは理想中の理想です。現実ではありません。
しかし、前向きになったり、自ら勉強に向かうようになる「きっかけ」の一つにはなるのです。「オレもやればできるじゃん!」そう思えない子が、どうして勉強しようと思うでしょうか?

つい大人は、「ヤバイから勉強しろ」的な発言ばかりを繰り返します。「勉強しないと~になっちゃうよ!」と、マイナスからの逃避のために勉強しろというロジックを使います。

でも、それじゃ子どもは動きません。

勉強が出来るようになった。
ちょっと分かるようになった。
少し成績が上向きになった。

それが自分自身の力であったという「自信」。

これを子どもに与えてあげること。
これが、たとえ今は大したことはなくても、子どもを大成長させる要因だと思います。

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