怪談牡丹燈籠

日本三大怪談ってのがあるんだそうです。

「東海道四谷怪談」「番町皿屋敷」、そしてこの「怪談牡丹燈籠」がそれ。明治の三遊亭圓朝が25歳の時に書いた作品だそうで、落語の怪談噺の一つです。かなり複雑で、壮大な愛憎劇なのですが、その中でも有名なのが、お峰・伴蔵の「お札はがし」という場面と、そのお峰が伴蔵に殺されてしまう「栗橋宿・お峰殺し」の場面。

YouTubeで検索しても、かなりの数の落語が出てきます。私は柳家喬太郎が大好きで、彼のお札はがしもまた上手なのです。

私の牡丹燈籠とのファーストコンタクトは、小学生の頃に聞いた林家彦六(後の林家正蔵)の演じたラジオ放送でした。林家彦六は、現在の林家木久扇(以前の林家木久蔵)の師匠にあたり、木久蔵さんが散々モノマネをしたので有名ですが、ちょっと震え声なので、これが怪談を語らせると怖いのなんの(笑)

私はこの印象が強くて、この時は「お札はがし」を聞いたのですが、とにかく毎夜幽霊が訪ねてくる場面、ホントちびりそうでした(笑) 

ご存じない方に、ホントざっくりとこの「お札はがし」を解説。

山本志丈という医者の紹介で、飯島平左衛門の娘の「お露」と根津・清水谷に暮らす浪人・萩原新三郎が出会ってお互いにひと目惚れをします。ところがその後なかなか会えないまま、お露は焦がれ死にをし、侍女「お米」も続いて亡くなり、共に谷中三崎の新幡随院に葬られます。

ところが焦がれ死になので、お露・お米の幽霊が毎夜、牡丹柄の燈籠をさげて新三郎のもとを訪ねるようになります。最初は幽霊だとは知らなかった新三郎ですが、人相見の「白翁堂勇斎」が「死相が出ている」と言ったことがきっかけで、幽霊であることが分かります。谷中三崎の新幡随院・良石和尚にお札と仏像で幽霊封じをしてもらうことになるのですが、毎夜幽霊は家の前まで来て、お札が貼ってあるので家の中に入れず、帰っていく…ということを繰り返していました。

そこで幽霊は隣家のお峰・伴蔵にお札をはがしてくれるように頼みます。お峰の発案で伴蔵は幽霊に百両の金をくれたら御札を剥がすと約束。幽霊は約束通りに百両を伴蔵夫婦に与え、伴蔵は御札を剥がし、新三郎は取り憑かれて亡くなるというお話。

後にその金をもとに栗橋宿へ引っ越し、関口屋という荒物屋を開いて…という展開が「栗橋宿・お峰殺し」につながっていきます。実は、この他にもいくつものサイドストーリーがあって、結構複雑な話なのですが、やっぱり牡丹灯籠といえば「お札はがし」というくらい有名な場面であることは間違いありません。

さて。
お気づきの方もいるかと思いますが、この舞台。
新三郎が住んでいたのは「根津・清水谷」ですから、今でいうとちょうど上野高校の下あたり。上野高校の脇の坂を「清水坂」と言いますよね。通称暗闇坂。細く狭い坂ですが、あそこが谷へ降りていく坂。下が清水谷だと思われます。坂の上には「清水町公園」もありますから。

お露・お米のお墓があったのは谷中・三崎の新幡随院。三崎坂は地元の方はよく知っている場所。谷中小学校のあたりですね。現在でいうと、朝日湯というお風呂屋さんがある場所あたりがこの新幡随院だったそうで、現在は統合されて、足立区の東伊興に移転しているそうです。

幽霊は、この新幡随院を夜な夜な飛び出て、「へび道」を通って根津まで通ったとされています。へび道も地元の方はよくご存知ですよね。昔は川だったので、川沿いを来たのかも知れません。なんとまぁ地元のお話。

ちなみに、三遊亭圓朝の墓というのは、これまた谷中・三崎の「全生庵」にあって、私も何度かお参りに行ったことがあります。ご近所ですからよく知るところでもあります。こんな名作の舞台・由緒ある場所に自分の教室があるなんてビックリです。小学校の頃に聞いた落語の舞台なんてね。

ちなみに、以前も少し書いたかも知れませんが、江戸川乱歩の「陰獣」という初期の名作の舞台として、やはり上野桜木(町)が出てきますし、谷中や金杉などという地名が頻出します。後半は根岸の御行の松なども出てきますから、本当に私の生活圏が舞台なんですね。

また、「D坂の殺人事件」のD坂は「団子坂」のこと。反対側の三崎坂側にはなりますが「乱歩」という喫茶店があるのも納得のお土地柄ですね。

で、何でいきなり牡丹燈籠かといいますと、久々に舞台を見たという話です。まぁ、身内が役者として出ていたので見に行ったのですが、久々にいろいろ見返してみると、「地元の話だなあ…」と改めて振り返ったわけです。

「牡丹燈籠がさぁ…」
とスタッフに話すと、
「え? 知らないです…」

四谷怪談と番町皿屋敷はなんとなく知っているみたいですが、牡丹灯籠は知らないスタッフばかり。
へぇぇ。
もうそういう世代なんですかね。
え?
世代じゃなくても、知らなかったですか? あれ?(笑)

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