美学

実は、私は知ってるんです。
自分の意志をしっかり持っている人には、必ず助けてくれる人が現れるということを。


例えば金が無くても、です。
こんなことをしたくて、もしくはこれがやりたくて、その意志と計画を持っている人には、たとえお金をくれる人、貸してくれる人でなくても、後押ししてくれる人が現れるのです。

だから、自分の意志が大事。
生き方が大事。
人生観や哲学が大事。
それがない奴は、なーんも出来ないって、知ってます。
まぁ、知ってても、それが全て出来るわけじゃないってことも身をもって体験してきていますが(笑)、そこが重要なんだという「原点」に常に戻る意識はあります。


昨日なんとなく思い出したのですが、私が人生で初めて「社長」になった時の、正真正銘・初仕事は、ビルのオーナーさんに頭を下げたことでした。急逝した先代社長の会社を引き継いだのですが、経営が迷走した期間のうち半年間滞納した家賃。まぁよく滞納してるのを待ってくれたと思いますが、先代のご遺族から会社を引き継ぎ、正式に私が社長になった時、まずやったのは頭を下げることでした。すいません、今度私が社長となったので、少しずつですが必ず遡って納めますから、もう少し待ってくださいと。よしわかった、頑張ってね…と、大家さんが了承してくれたんですね、あの時。でも、自分の意志と、必死さが伝わったんだろうと思います。


実際、半年後に家賃は完済。頭を下げて以降は2ヶ月分の家賃を常に払い続けていきました。必死でした。最後のお家賃を入れた時に、「頑張ったねー」って言われたのも、覚えてます。もう、その大家さんも事情があって、私が東京へ来て以来お会いできていませんが…

その後も紆余曲折、いろんな方にご迷惑もかけましたし、ご恩も十分返せていないのは重々承知しています。まだまだ力量不足なんですが、でも、必ず誰かが知恵を授けてくれたり、援助をしてくれたり、必ずあるんです。逆に、こうしたい、こんなことをしたい、そういう意志が最初にないと、誰も助けてくれないことを、本当に身をもって知っているんです。

だから、軽い気持ちで脱サラしたり、店から独立して失敗したなんて話を聞くと、悲しくなったり腹が立ったり。
「経営なんてそんな甘いもんじゃない」
とか、
「お前なんかが経営なんて出来るわけがない」
なんて、そんなことを言うつもりはありません。私も散々言われてきましたから。上の2つの言葉は本当に言われ続けてきました(笑)


でも、意志はあった。それだけですよ。その意志がなくちゃ、そりゃダメですよね。経営者に限らず、自分で仕事する人って、そこが抜けちゃうと何も出来無いわけで。

というのはですね、昨日池袋からの帰り道、昨年開店した飲食店が、昨日見たら跡形もなくなくなって違う店になっていたんですね。ああ、上手く行かなかったんだ…と思ったら、ついそんなことを思い出してしまったのです… 自分のところも偉そうなこと言ってる場合じゃ無いんですが(笑)

「あなたは、そういう『価値基準』というか、『美学』をどこで身につけたの?」

と妻に聞かれて、これまたハッと振り返ると、自分でも意外な答えをしました。

「高校からずっと同じ時間を過ごして来た、某悪友との中でかな?」

男子校のいいところというか、一時はお互いの彼女より、奥さんより(笑)長い時間を共に過ごしてきた某悪友。所謂ふつうの「友人」とはちょっと違う付き合い方だったかもしれませんが、彼と私を中心とした仲間内の中で、共通の目標を持ちながら、意外に人生観や哲学的な「濃い話」をしてた気がします。濃密な時間だった気がします。そこで醸成された価値観って、いまだに生きていると思います。何がカッコ悪くて、何がダサいか。これがカッコイイ… そういう話。外見とか上っ面じゃ無いカッコよさね。アイドルじゃなくてロックなかっこよさというか(笑)

妻は妙に納得してました。

ここ、経営にも大事な部分かもなー(笑)

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