家族が大事

合宿最後に閉会式があります。閉会式では各講師が一言ずつお話をするのですが、私たちが「お父さん、お母さんに感謝しなさい」と言うと、意外にハッとした顔をします。以前、この合宿に来てお母さん・お父さんが言っていたことがよく分かったと感想文を書いた子がいましたが、厳しい環境に一人で立ち向かわなければいけなくなった時に、人は今まで如何に恵まれていたのか、そして様々な人のサポートを受けていたのかに気づきます。そして感謝することになります。「可愛い子には旅をさせよ」と言いますが、そのことわざの真意はそこにあります。

海外でのインタビューなどを見る際に、家族愛の強さを感じることがないですか? 「お母さん、愛してます」「家族を守るために働く」そんな言葉をよく耳にしますね。海外では、まず何より「家族」が大事であって、家族を大事にできない人間は社会的に信用もされません。家族のためであれば仕事を休むなんてこともなくもないものです。しかし日本人にはそんな風潮がありません。元来社会的調和を善としてきた比較的閉鎖的な社会構成を持つ我が国においては、身内はニの次三の次になり、まずは他人への配慮が大切だと習ってきます。調和を旨とする日本人の特徴でもあります。


例えば、ある方の指摘によると、太宰の「走れメロス」は必ず国語で学ばされる作品ですが、あの話の核心は、「人生の友達」「生涯の友」は大切、つまり「人生で何より大事なのは友達だ」ということなんだそうです。

確かに学校をはじめとする「教育機関」では、「一番大切なのは家族なんですよ」とは教えないものです。それは、家族愛が当たり前のものだと思っているのか、本当に無視しているのかはわかりません。でも、家族愛を訴える作品はあまりお目にかかりません。

逆に、「友達がいない」「友達が少ない」と思われると、子供たちどうしでは「変人」の烙印を押されます。「友達がいない」ということ自体がその人には「苦痛」であり、嘲笑や侮蔑の対象になりえます。こういうことが些細なイジメにつながり、ことが大きくなると大変な騒ぎになります。「友達が何より大事だ」ということを強制され、それ以外を世の中が許してくれないというような風潮や、家族が第一だと言うと何だか自立心のない甘ったれのように感じる風潮は、実はかなり怖い偏った世界でなのだ…

そんな指摘でした。なるほどなぁ、面白いこと言うなぁと思いましたし、どこか一面の真理を突いている気がしました。

でも、子供達は家族の大切さを決して知らないわけではありません。私たちに指摘されてびっくりし、中には涙を見せる子もいます。ですが、指摘されてハッと思い出すだけであって、知らなかったわけではありません。

無償の愛で自分を守ってくれるのも、最後の最後に頼りになるのも、結局は家族です。家族の大切さ、有り難さを教える人がもう少しいてくれるといいのになぁ…と思います。 

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