原価計算

 製造業の人や飲食の方などは、原価の計算がとても重要だと言います。消費税が上がれば、仕入額も上がり、原価も上がります。単に商品価格を5%から8%にあげればいいという性格のものではなく、そもそも仕入れ原価から上がってしまうのですから、利益にも大きく響いてきます。

 よく、商品の原価がとても安いというトリビアが飲み会のネタにはなります。私たちも学生の頃、ファミレスのコーヒー一杯の原価を知り、何杯飲めば元が取れるかと頑張り、結果胃がいたくなる…なんてバカなことをしていましたが(笑)、ただそれは単純に原価だけの話なんですね。商品には、それ以外の部分、つまり人件費や店舗の維持経費、そして何より利益が入っていなければ、そもそも提供が不可能なものです。そこを見ずして、「利益率がハンパ無い」なんて喜んでいられると、まぁずいぶんとおめでたいこと…と苦笑せざるを得ません。

 さて、ただ我々「経営者」の立場から考えると、この原価にはいろんな思いがあります。中には徹底的に原価率を下げ、利益率を高めるというところもあるでしょう。経営者・社長というのは常にそんなことを考えているのではないかという世間的なイメージもあるでしょう。

 しかし、原価率を出来るところまで高め、質のいい手のかかるものを提供する、利益は後から着いてくるはず…そう思って経営している「両親的な経営者」 は、意外に小規模事業者、うちみたいな零細企業、個人事業主には多いものなのです。「そんなんで食ってけるの?」という経営者を私は何人も知っています。いや、友人たちはみなそんな人かも知れません(笑)

 そう考えると、桜学舎の個別指導の原価率って、結構高いなぁと思って計算してみました。塾の原価は、ほとんどが人件費です。講師の先生の講師料ですね。まぁ、維持経費なども含めるべきですが、単純に講師料を引いた額で考えると、マンツーマンでは残念ながら半分以下。原価率は50%をゆうに超えます。もちろん具体的に何パーセントなんだ!とは言えませんが(笑)、そういうことなんですね。桜学舎は1:2までの個別しかやりませんので、2名指導になってもかなりの率になってしまいます。

 ちょっと興味本位で、世間によくある1:3の個別指導の率も計算してみました。すると、桜学舎と同額でもかなりいい数字。桜学舎は個別指導塾の中でもかなりリーズナブルな授業料なので、もう少し高い大手塾さんを基準にしてみると、これまた結構ないい数字。

 そっか… どーりで儲からないと思ったぞ(笑)
 原価計算が下手なんですね、私は。どうしても儲からないように作ってしまう癖があるようです(笑)

 ただ、そうは言っても、塾というところはどこも原価は高いのだと思います。一つ一つの利益幅は小さいでしょう。よく、「本当に儲かるビジネスをやりたいなら、塾をやろうとするなんてセンスが無い」と私はぶった切りますが、塾って正直儲からない商売です。仕事はたくさんあるし、確かに「高額商品」ではあるのですが、私なんて時給で考えたら、きっと高校生のアルバイトの足元にも及ばない金額になると思いますよ。だから、本当に好きじゃなきゃ出来ない仕事なんですね。

 桜学舎も他塾と同様、「高いなぁ」と言われる・思われることもあります。何だか子どもの相手をしているだけで、楽そうな仕事だと思われることもあります。でも、全力で子どもたちと付き合うのは、本気で頑張らねば出来ない仕事です。そして「誰でもマニュアル通りにやればできる仕事」ではありません。だから難しい。そして、原価が高い仕事ですから、必然的に商品価格全体が高くなります。でも、いいものはそれなりに値段がする… そう価値を感じて頂けるかが勝負の仕事です。

 なるべく「原価が高い」ということを、ある種の「プライド」にもして、いい仕事をご提供出来るように頑張っていこうと改めて思います。
 儲かるってのは、もう少し先なんでしょうなぁ… 未来を信じて突っ走るしかありませんね(笑)
 

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