こどものくせに

 「言い訳大魔王」
 私からこの称号をもらった子は、最も注意をしなければいけません。なぜなら、私が最も嫌う称号だからです。

 宿題が出来なかった。
 指示が守れなかった。
 そういう時、私…というか桜学舎の講師は皆、理由を聞きます。致し方ない理由であれば責めることはありませんので、正直に、ありのままに答えてほしくて聞きます。

 ところが、こういう子がいるのです。
 「部活が忙しかったので…」

 何をぉ!? 
 一気にここで私のボルテージは上がります。部活が忙しいだと? では、部活をやめたまえ。

 その理由は簡単。
 1.部活は正課ではない。
 2.部活を一生懸命やっても、顧問が進学を保証してくれはしない
 3.オマエだけが忙しいのではない。

 つまり、勝手な理屈をこねるなと、そういうわけです。やるべきことをやって、そもそもの義務を果たした上で、プラスアルファの部分はあるべきです。部活とは本来そうあるべきもの。

 生徒に、学生の本分は何だと聞けば、必ずこう返ってきます。
 「勉強です」

 その本業である勉強をせず、趣味が忙しくて仕事が出来ませんでしたと言い訳するのであれば、じゃぁ俺たちも本業をやめるぞ、と。授業サボって、遊ぶぞ、と。親だって、仕事行くのやめるぞ、ご飯作るのやめるぞ、洗濯やめるぞ、オマエら育てるのやめるぞ? と。

 自分達は義務を果たさず、周囲は義務を果たせと、そういうことですか? 地球はオマエのために回ってるんじゃないんですけど… そうたたみかけます。大抵はグウの音も出ないでしょう。だって、やるべき宿題をやってないなんて、どんな言い逃れをしても本人が悪いに決まっているのですから。

 その上で、もう一度聞きます。

 「部活が忙しくて、宿題出来なかったんだっけ?」

 これ以上言う必要はありません。自分がいかに間違っていたかを、子ども達は自分で判断し始めます。

 部活のせいにするな。言い訳するなんて、子供のくせに生意気だ!屁理屈をこねるなよ!


 こういうことは、「言われたことを直せない子」にも通じます。
 「100万年やっても伸びないよ」「絶対出来るようにならないよ」と、間違いを正そうとしているにもかかわらず、頑なに同じやり方を繰り返したり、直すことが出来ない子もいます。

 「だって…」と言います。
 だって…じゃねーよ、生意気な! だまって言うことを聞いてやれ!

 「こどものくせに!」
と、きびしくビシッと、頭ごなしに「ダメなものはダメ」と言われる機会が減ってきたのかもしれません。
 「お子様」は育ててはいけません。あくまで子どもは「生意気言うな!」と潰すべき。自分の立場や、身の程をしることも勉強になるはずです。

 こどものくせに、生意気な!
 言い訳無用!(笑)

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