他力本願

 一緒にいないと出来ない生徒がいます。
 自分一人でできないのです。
 出来ないから、自習に来ても、「出来そうにないので、家でやってきます」なんて帰ろうとします。そこで、「ざけんな! 下でやれ!」と私たちの手元に置きます。「ここはわかんない」と言いますが、「いいからやれ!」と言います。すると、渋々やります。で、「出来ました」と持って来ます。採点します。合ってます。出来るじゃん!

 そばにいないと、一緒にいないと出来ない。
 これじゃ困るんですが、どうしても自分で出来ないんですね。いつも叱られていますが、何だかうれしそう。甘ったれだなぁ…と思います。

 甘ったれと言えば、他力本願の子もいますね。
 学校の授業でも、分からないのであれば、自分で食らいつかねばならないのですが、「先生の教え方が悪い」「先生の説明が下手」「あんな授業だから私の成績が悪い」という思考回路を持っている子です。こういうのを「消費者的態度」と言いますが、こと学校や勉強に限らず、世の中全てにおいてこういう態度で人に接して、「良いこと」は一つもありません。皆無です。

 例えば、飲食店で店員に対して、「こっちは客だぞ」という態度で横柄にふるまう人がいますが、店内を全て険悪な雰囲気にしますし、店員のサービスも当然悪くなります。あれ、良くないですよねぇ。

 モンスターペアレントやクラスの困ったチャンなどもほとんど同じ論理構造。ですから、消費者的態度って、何の問題解決にもならないのです。それ以上に、「自分は何様なんだよ」とターゲットになり、逆にツッコまれる確率が高まります。

 「人には言うくせに、口ばっか」
 「所詮、中身のない奴の遠吠え」
 こんな風に言われ始めたらもう終わりです。困ったチャンになってしまいます。誰もがわが身を振り返って、自戒せねばならないことですね。人に文句を言うということは、自分は完璧でなければなりません。自分の非は無い。だから他人を責められるのでしょう?

 学校に限らず、どこでも同じ。塾だって同じです。
 宿題も甘い、質問もしない、出来ないところを克服しようともしない、ただ口を開けて美味しいものが落ちてくるのを待っているだけの態度の子は、決して人を責めることは出来ません。人を責める前に、自分でしょ?と言われるのがオチですから。それはつまり、「甘え」なんですね。

 残念ながら、この「甘え」の構造が見える子は、100%成功しません。かつても、一生懸命あの先生は分かる、あの先生は分からないと選別をしていた生徒がいました。それはそれで結構なのですが、その子は最終的に私も「分からない先生」リストに加えました。でも、それはプロの私から見れば、確実に、「自分にとって嫌なことを言わない先生」でしかありませんでした。要は、自分をいい気持にしてくれる先生を選んでいただけなんですね。結果は成績不振。当たり前です。これも完全なる「甘え」です。

 成績が悪いのは、言いにくいことをズバッと言ってしまえば、「本人が悪い」のです。努力不足。これが当然。それを「どうすればいいか」を一緒に考え、理解不足部分を補うのが塾の授業です。ここで「甘え」ちゃ、上がるものも上がりません。サービス業として正しいかどうかは分かりませんが、これでは成績が上がらない、分かるようにならない、本当の力はつかないというのは「真実」です。

 分かろうとしていない自分、先生の話に聞く耳を持たない自分、努力をしない自分、そして言行不一致な自分。どこかに真摯に反省するべき部分があるはずです。サービス業としての塾であれば、そういう部分も塾が代行して補ってしまうのでしょう。しかし、それは間違っています。それは本人にさせなければいけない作業。本人の成長機会を奪ってしまいます。それでは害あって利なし。その後の生徒の人生を考えれば、どう教育すればいいかなど分かるはずなのですが。

 他力本願になっていないか、自分のマイナスを他人のせいにしていないか、他人のせいにすることで安心していないか… わが身も含め、もう一度誰もが顧みなければいけないことなのだと思います。
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