記憶のメカニズム1

 「認知心理学」によれば、記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の二つがあると言います。新しい情報が頭にインプットされると、その情報はまず短期記憶として「海馬」という部分に蓄えられます。

  たとえば友人の電話番号を聞いた場合、この情報はとりあえず海馬で記憶します。しかし、海馬は一時的に情報を保存するだけで、しかも容量が小さいので、基本的に一度だけ見聞きしたという程度の情報は、海馬は忘れようとします。「繰り返し情報が入ってから、生命維持には不要な情報だ」と海馬が判断し、忘れるのだそうです。 

 ところが、ある情報が繰り返し情報が入って来ると、「繰り返し入ってくるので、生命維持に関わる大切な情報に違いない」と海馬は判断し、大脳新皮質の「側頭葉(そくとうよう)」へ長期記憶として保存します、この長期記憶は膨大な量の情報を保存ことができるのだとか。実際、40年も前に受験勉強で覚えたことを今なお覚えていたりするのは、それらが長期記憶に貯蔵されているからだと言われます。もちろん、学習において、知識は長期記憶へ移行させる努力しなければならないのはお分かり頂けるでしょう。
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