スポーツだけに頼る怖さ

台東区や文京区は、意外なことに野球全盛。
昨今、野球をやる子が少なくなり、郊外になるとサッカー少年だらけ。野球少年は一種「ダサい」と思われる節があるのですが、意外にも都心は野球が盛んです。野球のバットを持って塾に来る小学生もいたりしますから、ちゃんと低学年にも広がっているのだと思います。

スポーツ推薦で高校を考えている子もいます。当塾でもほとんどが野球です。それはそれで大変結構。特技が無い子や、打ち込むものが何も無い子と比べたら非常に健全でしょうし、何かを一心不乱に一生懸命やるという経験は何ものにも代えがたい経験になりますし、そこから得るものも大きいと思います。

が、しかしです。
では、それ以外に何も出来なくていいかと言うと、そうとは決して言えません。

実名は挙げられませんが、私の教え子に、ある有名選手(プロ野球監督も何度も経験されています)の親戚の子がいます。私もその監督チームの大ファンだったので、随分といろいろなものを頂いたことがあります(笑)

本当に野球ばかりやっていました。年子の兄弟だったのですが、特にお兄ちゃんは勉強も出来ましたしいい子でした。数年後に甲子園予選で出てくるかと楽しみにしていたのですが、レギュラーに名前がありませんでした。後で聞くと、怪我をして高校時代あまり試合に出られなかったのだとか… で、勉強は…


スポーツは順風満帆に行けばそれに越したことはありませんが、常に怪我のリスクがあります。スポーツが出来なくなった時にどう生きるかという道筋を断っているようでは、ちょっと将来への備えが甘いかなぁと思います。ちゃんとある程度の頭脳と力も必要だと思います。
 

なってから考える… では遅いことも多々あります。これは子どもの問題ではなく、大人の責任。たかだか15才の子が、将来のことも考えて勉強も野球も…などと考えるわけがありません。大人が、親が、両方の力をつけさせておくことが何よりも大切です。
 


しかし、このご時世、「それだけしか出来ない人」に対する危うさも強く感じます。職人気質の人は苦労が多いと聞きます。世界はものすごい勢いで栄枯盛衰を繰り返しています。去年までよかった仕事が今年は全くダメ…ということも多々あります。

マルチな人間を目指し、文武両道が保てる環境をお子さんに勧めていただきたいと心底感じています。

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