本質あってのテクニック

先日、小学生の算数を教えていたら、分数の掛け算を全て「仮分数」で答えてきた子がいました。中学生でしたら仮分数での解答も正解になるのですが、一応小学生の場合は仮分数は全て帯分数に直しましょうというのが指導方法となりますので、仮分数にするよう指示。

しばらくして見てみると、1問も直せていません。
ははぁ、さては仮分数を帯分数に直す方法を知らんな?
聞いてみると分からないと言います。

さて。
ここでの教え方はとても重要になります。
ふつう、塾は「やりかた」を教えてくれると思っています。要はテクニックを教え込んでいると思われているのです。これは特にお父さん、つまり男性に多いのですが、「テクニックを教えてやってくれ」とハッキリおっしゃる方もいます(笑) テクニックを教えても、何の理解にもつながりません。理解をした上でのテクニック。これは徹底です。

たとえば13/6。
よくやりがちな「塾」的な教え方は、

分母×□で13に一番近い数は?
「2」で12になる!
分子-12は?
「1」
だから、2と1/6が正解!
やり方わかった?
じゃ(2)以降やってみてね。

算数が出来るようになるというプリントの塾なんかでも、下手をするとこんな教え方をしてしまいます。確かにこの通りにやれば、(2)以降は全問正解できるです。でも、これって、わかってるんですかね?

これは本当にやり方や仕組みを理解したのではなくて、「手順」を教えたにすぎません。手順を教われば、何も考えることなく、ルーチンワーク的に数字を当てはめて行けば正解が出ます。これを俗に「テクニック」「やりかた」と言うわけですが、こんなものが勉強であるわけがありません。

桜学舎では、まずは6/6が1という整数になるというところから話を始めます。
整数になってしまうものは、整数としてまとめようというのが帯分数にする意味だよと。だから6/6が何組出来るかを考えましょうと話を進めます。

13/6からまず1組6/6を取ってみると、

6/6 と 7/6

になります。「もう一つ出来るね!」

6/6 と 6/6 と 1/6

こう分けられるねと。6/6は1だから、

1 と 1 と 1/6
つまりは2と1/6

なるでしょう?

ちょっと算数が苦手な子だと、うーん…とうなる子が時々いますが、それでも本質はこれ以上でもなけれこれ以下でもなく、仕組みはこういうことですよね。ただ、時間短縮のために、これが分かっている子が先ほどのテクニックを使うことに異論はありません。ただ点数を取らせるためだけにこの本質を教えすらしないというのは問題ですし、先々応用問題などを解く際に、理屈が分かっていないのですから閃かない可能性も非常に高いと思います。テクニックや手順だけで乗り切ってきた算数が苦手な子が、受験では本当に苦労しているのを知っています。

桜学舎の「テクニックに頼らない指導」というのは、こういうことなんです。

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