浪人生にエールを

塾生に限らず、世の浪人生、いや浪人が決まった高校生に言葉を贈ろうと思う。

一つも大学に合格できなかった人もいるだろう。
また、希望の大学に合格できずにもう1年頑張ることを決めた人もいるだろう。

いずれにせよ、君達は今年自分の目標を達成することが出来なかった。
厳しいことを言うようだけれど、その現実をまず受け入れることだ。
目をそらしてはいけない。
これが現実だ。
君は、不合格だったんだ
まず、ここから始めよう。

不合格とは、これまた厳しいことを言うようだが、君の1年の全否定だ。
君の受験勉強は間違っていたと、全否定されたということだ。
しかも、あっさりと。一言で。

これを受け入れることが出来なければ、悪いことは言わない、浪人はやめたほうがいい。
かく言う私も1年間浪人生活を経験した。
しかし、意外にも一緒に浪人した友人たちの中には、志半ばに挫折していく人間がいた。自分より賢いと思われた人間が挫折し、「そこかよ!」というような大学にしか進学できなかったのも見てきた。最初にきちんと過去を否定できなかった人が多かった。

現役時代の受験勉強方法の全否定。
これは、正直辛いものだ。
しかし、同じ勉強をもう1年続ければ大学に合格できるという考えは妄想に近い。
大学入試は、ハッキリ言ってそこまで甘くない。
不合格には原因があり、その原因があったから君は不合格だったのだ。現に、他の友人たちは現役で合格出来ているじゃないか。何故君が合格できなかったかを今一度よく考えてほしい。

カッコツケの勉強を続けて来なかったか。
本当は分かっていないのに、わかったふりをしてこなかったか。
後は自分でやるだけだと言いながら、やっていなかったのではないか。
暗記は後で…などといって、ないがしろにしてこなかったか。
やれと言われた問題集や参考書をやりきっていないのではないか。
勉強が単なるタスクになり、ちゃんと自分で読み書きして消化していなかったのではないか。
そして何より、偏差値の低い大学をナメていなかったか。
大学入試をナメていなかったか。
どこかのTVCMではないが、あとは応用だ…などと勘違いしていなかったか。
受験生は、基礎に問題があることが大半なのだが。

自分を見つめ直して欲しい。
自分と向き合って欲しい。
ダメな自分を認めてほしい。
そのうえで、そのダメな状況を一瞬で解決する魔法はこの世に存在しないのだと認識してほしい。

確かに、適当に勉強して、ズラっと合格を並べているように見える受験生もいるだろう。
どれほどかっこよく見えることだろう。
しかし、彼らも見えないところで相当の努力をしているし、君との違いは、自分の学力や勉強を冷静に見つめられたか否かの違い程度なんだろうと思う。
不合格だった君は、そのカッコイイ組には入れないチームであることが判明した。
人間には2通りあるんだ。
何となく上手くいってしまう、スマートな人。
そして、努力を続け、地べたを這いつくばってそこから立ち上がってくる人。
雑草とでもいうか。

大学に合格しなかったのは、君が雑草であることが判明した瞬間だ。
しかし、雑草にはどんなことがあっても立ち上がってくる強さがある。だからこそ雑草なのだ。

私も雑草だ。
スマートになんか生きられないし、かっこよくもない。
外見的にも、内面的にも雑草であることは間違いない。だからこそ、強くなければいけない、また一度や二度倒れてもまた這い上がってくる、立ち上がってくるのが雑草だと、そう歩んできた。

だから、君にも強くなって欲しい。
かっこつけは、もうやめよう。
雑草は雑草らしく。力強く、たくましく。そして、負けずに立ち上がって花を咲かせてほしい。

自分を否定するのは、傷つくものだ。
しかし、まず、傷つけ。
苦しめ。悲しめ。悩め。でも、一通り涙を流したら、其処からがスタートだ。
雑草の戦いは常に「負け」からスタートする。

1年間、辛いこともあるだろう。
しかし、自分の弱い心と戦ってほしい。
他人の目は誤魔化せても、常に神様は見ている。
本当は覚えていない英単語。
分かっていない歴史の流れ。
理解していない古文。
先生やチューター、親の目は誤魔化せても、神様は誤魔化せない。

その神様は、きっと君の心にいる。

本当は分かっていなんだよな…
本当は覚えてないんだよな…

つまり、神=真実=自分の心なんだろう。

神=自分の心を誤魔化してはいけない。
自分の真実と向き合いながら1年を過ごしてほしい。
誤魔化さないで過ごせれば、来年はきっといい結果が出るだろう。

1年で、自分のダメさに直面し、愕然とするかもしれない。
何のために勉強しているのか見失うこともあるかもしれない。
やってもやっても結果が出なくて焦るかもしれない。

もし、そんなことがあれば、いつでも訪ねてきて欲しい。話ならいくらでも聞こう。相談にも乗ろう。

極論を言えば、結果はどうでもいい。
偏差値の高い大学へ行くことだけが良いことではないし、どこの大学でなくてはいけないなどということもない。いつまでもそんなことで争っているのは「ガキ」でしかない。いくら偏差値の高い大学を出ていても、人生の負け組なんていうものは幾らでもいるものだ。

そうではなく、君が行きたいと思った学校へ行く。
それが、君の人生の選択だ。
そこから「不合格」とされたなら、レベルを下げるのではなく、その学校に見合うように自分を高めればいいだけの話だ。そのための1年だ。その高い志があるならば、貫け。

頑張れ。
心から応援します。
そして、荒波の航海へ出発する君に敬意を表します。

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