夏休みの読書感想文

 とある事情で数日集中して本を読む時間がとれた夏でした。

 本屋をぶらぶらし、「う~ん何を読もう」と悩む贅沢な時間。電子書籍でも相当な冊数を読んでいますが、つきつめるとやはり紙の本が好きです。ちかごろは「自分ルール」ができてきて、たとえば歴史書や図説のような「情報を集めるための本」、ちょっとした文芸書はできるだけ電子書籍で購入します。もう、紙の本を置くスペースがなくなってきましたので、その意味ではありがたいわけです。iPhoneにほぼ無限にいれておけるわけですからね。

 対して、紙の形態で手元においておきたいのは、「古典的なもの」「繰り返し読むもの」です。「古典」というのは、ここまで読み継がれてきたそれなりの理由があるので、「好き嫌いを別にして読んでおくべき」本です。これは、息子(3歳♂)のためという意味あいが強いのですが(そんなことを考える年齢になってしまいました笑)、そういう本はやはりふと手に取れるところに置いてあげたいのです。もちろん、古典がすべておもしろいかというとそれは別なのですが。教科書でだれもが読む夏目漱石の「あの小説」だって、「文学ガチ勢」の私からみると「凡作では?」ということもあるのです(笑) 漱石大先生には申し訳ありませんが、そうやって「品定め」をするのが文学の「粋な」楽しみかたでもあるのです。そもそも漱石も、実作者であると同時にかなり辛口の批評家でしたね。三島由紀夫しかり。

 さて、どうも同世代からその下の世代の文化への接し方をみると、「触れておくべきもの」というものへの忌避感が強いように思います。映画でもマンガでもアニメでも、「最低限押さえておけ」、もっとぶっちゃけると「これを知らないで語るな」という「古典」があります。ところが、これは知らないと「ならない」とべき論が入ってくると、「知識マウンティングだ」と眼を閉じてしまう人が増えてきたように思うのです。挙句に、たとえば現在流行っているAというマンガに影響を与えたBというマンガをつかまえて「パクっている」と騒ぐ始末(笑) いや、時系列が反対よ、落ち着きなさいよと(笑)

 大学院でこってり「絞られて」鍛えられたクチとしては、やはりある程度「ウザい」ことも言わないとなあと思うわけです。具体的にいうと、桜学舎生には「こんなのも知らないのか!」と浴びせるように情報を与えてます(笑) 客観的にみると「マウンティング」となるのかもしれませんが、「なぜ知っておくとよいのか」という理由を添えると子供たちは真剣に聞き入ってくれます。これは伝える側の自信というか、語り手がどれだけ豊かな世界にアクセスしているかではないのかなあと思います。子供は本当に大人の鏡です。

 え~と、なにを書いていたのかさっぱりわからなくなりましたが(笑)、要するに久しぶりにミステリ小説を耽読しようと思ったのです。

 小学生のときは無類のミステリ少年でした。4年生でスイミングスクールに通い始めたのですが、とにかく嫌で嫌で。せめてその日が楽しくなるように、スイミングの向かいにある図書館で毎週ミステリ小説を借りることにしたのです(土地勘のあるかたは浅見の世代からどこにあったスクールか特定できるかも笑 ちなみにそのスイミングは閉館してしまいました)。そこから中学2年生あたりまではミステリばかり読んでいました。「中二病」のじきに、いきなり芥川やカミュなど知的なものに手をのばしました。背伸びがしたいお年頃です。

 さて、ここ2年ほど断続的にミステリも読んでいますが、主に日本のものでした。そしてなんと、小学生以来数十年ぶりにアガサ・クリスティとエラリー・クイーンが読みたくなったのです!とりあえず、クリスティの「スタイルズ荘」「アクロイド」「オリエント急行」「ABC」「そして誰もいなくなった」、クイーンの悲劇4部作をどかっと大人買いしました(笑) 結局この数日に読めたのは「スタイルズ荘」と「そして誰も~」の2冊だったのですが、それからずっとこのあたりを読み進めています。勢いがついたついでに、「メソポタミアの殺人」「ナイルに死す」、さらにはクイーンの「国名シリーズ」を買い足しました(笑) わくわくがとまりません。

 さすがに犯人もトリックも忘れていたので初めてのときのように楽しめました。そこでふと、「今の小学生はどうやってクリスティを読むのだろう?」と疑問が。いや、そもそも読まないか、妙なことを思いつくもんだと書店を歩いてみると。。。あるではないですか!「ハヤカワ・ジュニア・ミステリー」シリーズなるものが。素晴らしい企画!自分はクリスティのポアロシリーズは偕成社のもので読んだので表紙を比べてみましょう。あまりに素晴らしいので、編集者の方のインタビュー記事のリンクを貼っておきます(笑) https://www.kknews.co.jp/post_library/20200615_8c

偕成社版(公式HPより)
ハヤカワ版(公式HPより)

ポアロ、めちゃくちゃイケメンになっとる(笑) 若返ってるし(笑) なんか時代を感じますねえ。ただですね、この偕成社版もハヤカワ版もどちらも「完訳」なのです。子供むけだからといって手加減していません。これがいいのです!子供といって侮るなかれ。大人のほうで勝手に限界を決めてはいけませんね。4年生か5年生のときに、偕成社版の「おじさまポアロ」の表紙でなんとか読みとおした記憶がよみがえってきます。それが読書の原体験。

 クリスティもクイーンも、当然のことながら「古典」です。ですのでこの夏に大人買いしたミステリは当然すべて紙の本でした。「将来息子が読めるからいいのだ」と勝手な理由をつけてまたしても本棚のスペースを圧迫する教室長なのでした(笑)

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進学個別桜学舎

入谷教室

教室長 : 浅見臨太郎

開校時間 月-金 : 13:00-22:00 

Mail : ohgakusha.a.rintaro@gmail.com

Tel : 03-5246-3434

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