人生の時間

調整休校日の6月1日。
平日にひょっこりお休みをいただいて、7年ぶりにTDSへ行ってみました。毎日朝から晩まで、家でも仕事場でも、食事中でも移動中でも、仕事の話が飛び出てくるような生活をしているので、こんな珍しい機会にはと思い立って、中年夫婦で行ってきたのです(笑) アホみたいにインディージョーンズに2回も乗って… でもパスポートの元なんて全然取れてないですよね。すぐ疲れちゃうし、休み休みノンビリ回りました。それでもこのデート感は何だか懐かしい感じ。いかに日々追われる生活をしていたかが実感できました。

人生には、時々はこんな時間も必要だよなぁと、改めて感じた水曜日。

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子供たちからよく将来についての相談を受けることがあります。呑気に、何も考えていないように見えて、実は不安を抱えていたり、一体この先どうなるんだろうということが「見えない」子も多いものです。

そんな時、以前にも書いたことがあるかと思いますが、年代についての話をします。

10代は何もわからない時期。
だから突っ走ればいい。知らないことだらけだから、ひとまず何でもかんでも吸収すればいい。それが学校だったり、勉強だったり。とにかく「持ちネタ」を増やすことに専念。

20代は迷う時期。
ネタは揃ったけど、それをどう取捨していいか分からない、いろいろやってみて自分に合うものを探す、そういう時期なので、1度や2度の進路変更・計画変更は全然構わない。紆余曲折せよ。

30代は修行の時期。
20代で迷った中から、自分はこのプロになって生きていくと決める時期。その道のプロになるためにスキルを徹底的に磨く時期。家庭を持ったり子供を持ったりもするだろうから、責任感が出てきます。

40代はプロとして生きる時期。
培ったスキルを全面的に生かして、その道のプロとして活躍する時期。他の追随を許さない、「さすがプロ」と言われる人になるべき。

50代は伝える時期。
下の世代に、自分の経験や、習得したスキルを伝え、後進を育て、徐々に道を譲っていく時期。自分が先陣を切ってバンバン働くというよりは、指示を出したり俯瞰して全体のバランスをとったりする司令塔の時期。

60で引退。第二の人生。

私は間も無く伝える時期に入ってしまいます。ふと振り返ると、確かにこの通りに生きてきたなぁと思います。だから来るべき50代はこう生きるべきだとも思っています。しかし、今振り返ると、あっという間だったなぁ。気づけば人生は半分以上終わっているんだと思うと、ちょっと焦ります。

かの中島敦は、
「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い」
と言いました。ただ漫然と時間を過ごし、働き、日々をやり過ごす。
全力で生きるなんて無理、面倒、疲れる、バカバカしい、そういう考え方も、あえて否定はしません。それもまた「生き方」の一つだと思いますし、人に従って、流れに流されて生きていく方が楽だという考え方も「アリ」だと思います。その人の自由でもあります。

ただ、残念なことに私には無理なんですね。
何かしたくなっちゃう。
この歳までくると、「自分の出来ることは所詮この程度だ」とわかるのですが、それでも人が作ったものをではなく、自分が作りたいと思ってしまうし、そういう生き方を好むのだと思います。

つまり、既成のものに染まって生きるには、人生は長いのでしょう。退屈な時間もあるのでしょう。暇つぶしという概念も生まれると思います。が、何かをしようとする人間にとっては、人生はあまりに短すぎます。1日36時間あっても足りないし、人生の時間が売り買いできるのならば、ゲームでいえばかなり「課金」状態になっていると思います。 

それは仕事をする時間をもっと欲しいというわけではありません。仕事も十分し、自分の趣味も満喫し、ゆっくりと休む時間も必要で、旅行に行ったり、人生を楽しむ時間も必要です。人生の時間が限られているので、これらのうちどこかを削ることになってきますが、それが悔しくて仕方ないのが「何事かをなす」人なんでしょうし、それにはあまりにも人生の時間は短いのであります。

若者にこれを伝えようとしたくなるのですが、残念ながら年代的な問題で、若者にはほぼこれらの話は伝わりません。若者は十中八九「人生の時間は無限にある」と感じているからです。頭では人生に終わりが来ることも分かっています。途中で病気になったりする可能性があることも分かっています。しかし、実感ではありません。ですから、これを一生懸命お説教しても「はいはい」で済まされちゃうことがほとんどですからあまり言いませんが、やはり真実は一つ。人生は短いのでありますね。

私も、やりたいことがiPhoneのリマインダーにびっくりするほど入っています。時間切れで通知がついてしまっているものだけで今日現在94件。リストとしてあげてあるのは500件を超えています。大きなことから小さなことまで、やりたいことは山ほどあるのです。が、人生の時間は限られていることを意識し始めたこのごろは、これらに優先順位をつけていかねばならないなぁと思い始めました。自分でできないことは人にやってもらわないと実現しないままになるなぁとも。俺が、俺がじゃもうダメなんだなぁと思い始めました。

小さなことですが、教え子でPCに詳しい子がいますので、彼にネット関係やプログラム関係の仕事を投げるようにしました。出勤の必要がないアルバイトです。卒業生が缶バッジやTシャツのデザインをしてくれます。出勤が必要ないパートです(笑) でも、こうして私たちがやりたいことを加速化してお手伝いしてくれる人が出てきました。以前なら自分でPCを勉強して、自分で設定して、自分のやりたいように… 一晩でも二晩でも寝ずに取り組めましたが、もう無理ですね(笑)

若い頃に気にも留めなかった中島敦の言葉が心に響きます。
「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い」

やはり私にぼーっとしてる時間はなさそうです。 

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