素人

芸能人やタレントが政治家になると批判する層が必ずいます。
「あんな奴に何が出来る」
「タレントなんか何も出来ない」
と怒ります。タレントも随分職業差別されたもんだなぁと思いますが、ある程度高齢の方々には本当にこういう意見を平気で言い放つ方が時々見られます。我々の世代から見ると、「時代性だな…」と苦笑しながら見ている感じですが、今の若い人々にそう言われないよう自分たちも気をつけねばと思います。

では、経歴がどうであれば政治家になって良いのでしょうかね。
商人?
団体職員?
弁護士?
皆、政治の素人ですよね。タレントと何が違うのかな?
そういう大人が子どもの夢を潰すんじゃないでしょうかね。

「そんな仕事、オレは許さん」
なんて就職の際に親に言われた…って話は時々聞きます。
職業に貴賤なしだと思いますし、仕事をし始めるということはもう親が口出しする年齢でもないということでしょうし、アドバイスは結構ですが、子どもが追いたい夢があるなら追えばいいと、私は思います。

どんな職業でも最初は素人。初めから玄人はだしの職人も商人もいませんし、新卒社員なんてド素人軍団でしょう? ですから、素人に対して、「あんな奴に何が出来る」と蔑むことは、新卒社員採用を全面否定しているのと思考回路は同じでしょうね。

ある会社の社長に聞いたところ、新卒は3年間は投資額を回収できないのだとか。投資額とはイコール3年分の給料ということです。新卒社員は、いくら偉そうなことを言っても3年程度は会社にとって収益を上げる社員にはなれないということなんだそうです。先輩がフォローしなければいけなかったり、失敗したり…の繰り返しだそうです。ですから3年以内に社員に辞められたら大損失だと言います。皆ヨチヨチ歩きから始まるのです。

しかし、最近は企業が人を育てることが少なくなったと聞きます。ヨチヨチ歩きを見守り、育てることが出来なくなってからというもの、若い職業人が育たなくなった気がします。
会社は即戦力を求めて「育てる」ことをしなくなり、ヨチヨチ歩きの若者は非正規雇用に流れるしかなくなった…小泉政権あたりの話ですかね。

私だって、ド素人の塾講師から始まり、最初は右往左往・無我夢中。しかも当時はろくすっぽ研修など無く、模擬授業を1回やったら即実戦で、いきなり20名近い生徒の授業を担当させられました。しかも何コマも。授業は、それはそれはヘタクソでした。それを長い目で見て育ててくれた塾長や会社がいました。「あんなのに何が出来る」と放り出されることもありませんでしたし、いろいろとアドバイスを頂いて、少しずつ成長していった気がします。だからこの業界で何とか生きて来れたのです。

ゆえに私は若者に寛容。
もちろん成長の意志があればですが。

もともと玄人なんて人はいません。
だから、素人が政治家になることだってあって当然。
玄人が政治家になるべきだとなると、地盤・看板・カバンを持っている人ってことなります。
そうかなぁ? 世襲は問題化するくせに。

素人でもいいし、最初はヨチヨチ歩きでもいいじゃないですか。誰もやりたがらない「政治家」をやって下さるなんて、本当に奇特な方です。みんなで育ててればいいし、厳しい経済環境を何とかしてくれる意志がある方ならなおさら。誰だって素人からスタートなんですから、批判ばかりしていては人が育ちません。

「暴走老人」も結構。
「素人政治家集団」も結構。
ただし、50年後、100年後の日本のこと、今苦しんでいる若者のことをちゃんと考えてくれるならば。
今の日本を作ったのは「大人」だということを忘れなければ。そして、若者やこれからの世代に後始末を任せるなどという無責任な人間でなければ、素人かどうかなどはあまり関係ないと思うのですが…

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